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【税務情報】令和8年分の年末調整、住宅ローン控除の改正点と手続き ―書類の回収から電子化のポイントまで―

公開日:2026年11月5日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:税理士法人TOTAL 総合経営サービス事務所
植松 伸
監修:税理士法人TOTAL 総合経営サービス事務所 植松 伸

【税務情報】令和8年分の年末調整、住宅ローン控除の改正点と手続き ―書類の回収から電子化のポイントまで―

今週のピックアップ

【 税務情報 】
◆ 住宅ローン控除と年末調整のポイント
◆ 年末調整だけでは対応できない控除に注意
◆ 令和8年の住宅ローン控除、主な改正点
◆ 初年度は確定申告、2年目以降は年末調整
◆ 証明書方式と調書方式、会社が確認しておきたいこと
◆ 年末調整の電子化で、確認や入力の負担を減らす
◆ まとめ

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 年末調整データの保存期間
◆ 年末調整で回収した各種控除書類の管理方法
◆ 年末調整の申告書を紙で収集する場合の税額の計算方法

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 住宅ローン控除と年末調整のポイント

税理士法人TOTAL 総合経営サービス事務所の植松です。
今回は、年末調整に関連して、住宅ローン控除を中心に解説します。

年末調整では、会社が従業員から提出された申告書などをもとに、その年の所得税を精算します。ただし、控除の中には、年末調整では適用できず、従業員本人が確定申告を行う必要があるものもあります。

住宅ローン控除も、初年度と2年目以降では必要な手続きが異なります。また、令和8年には制度の一部が見直されているため、基本的な仕組みとあわせて確認しておきたいところです。

本記事では、住宅ローン控除の仕組みや令和8年の主な変更点、年末調整で必要となる手続きについて整理します。あわせて、年末調整の電子化によって確認や入力の負担を軽減する方法も紹介します。

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 年末調整だけでは対応できない控除に注意

所得税の控除には、年末調整で適用できるものと、原則として確定申告が必要なものがあります。
例えば、雑損控除、医療費控除、寄附金控除は、原則として年末調整では適用できません。従業員本人が確定申告で手続きします。

身近なところでは、ふるさと納税も寄附金控除の対象です。
原則として確定申告が必要ですが、給与所得者などが一定の要件を満たしていれば、ワンストップ特例を利用することで、確定申告をせずに控除を受けられます。
ただし、医療費控除などのために確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請が無効になります。その場合は、ワンストップ特例を申請した分も含め、ふるさと納税の寄附金控除を確定申告で申告する必要があります。

住宅ローン控除も、給与所得者の場合、初年度は原則として確定申告が必要です。この確定申告をする場合も、ふるさと納税でワンストップ特例を申請していれば、その申請は無効になるため注意が必要です。
2年目以降は年末調整で控除を受けられます。ただし、従業員が会社に必要書類を提出する必要があります。

なお、控除には、課税対象となる所得を減らす「所得控除」と、計算した所得税額から直接差し引く「税額控除」があります。住宅ローン控除は税額控除に当たり、所得税額から直接差し引かれる点が特徴です。

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 令和8年の住宅ローン控除、主な改正点

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得するなど、一定の要件を満たした場合に、年末のローン残高などをもとに計算した金額を所得税から差し引く制度です。
所得税から控除しきれない額の一部は、一定の限度額の範囲内で翌年度の住民税から控除されます。

令和8年度税制改正では、住宅ローン控除の適用期限が5年間延長され、令和8年1月1日から令和12年12月31日までに入居した場合も、一定の要件のもとで適用を受けられることになりました。

また、主な見直しとして、次のような変更が行われています。
・適用期限を5年間延長
・省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額を引き上げ
・一定の要件を満たす子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額を上乗せ
・一定の省エネ性能を満たす既存住宅の控除期間を13年に延長
・床面積要件を見直し、新築住宅・既存住宅ともに原則40㎡以上に緩和
・新築住宅について、省エネ性能や立地条件に応じた適用要件を見直し

床面積の要件は、新築住宅だけでなく、既存住宅も原則として40㎡以上に緩和されました。
ただし、合計所得金額が1,000万円を超える場合や、子育て世帯等への借入限度額の上乗せ措置を利用する場合は、50㎡以上が必要です。

また、新築住宅については、省エネ性能や立地条件によって適用対象が制限される場合があります。
例えば、令和10年以降に入居する場合、災害レッドゾーンにある新築住宅は原則として対象外となります。省エネ基準適合住宅についても、建築確認の時期などによって扱いが異なるため、個別の要件を確認する必要があります。

令和8年に入居した従業員は令和9年明けに確定申告を行うため、今年の年末調整は対象外です。(会社での年末調整処理は2年目の令和9年分からとなります。)

参考:令和8~12年 住宅ローン減税の概要(国土交通省)

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 初年度は確定申告、2年目以降は年末調整

給与所得者が住宅ローン控除を初めて受ける年は、原則として本人が確定申告を行います。2年目以降は、従業員が必要書類を勤務先に提出することで、年末調整で控除を受けられます。

初年度の確定申告では、一般に次のような書類や情報が必要です。
・住宅の登記事項証明書や、住宅の取得に関する契約書など
・住宅ローンの年末残高に関する情報
・住宅の性能や取得状況に応じて必要となる証明書類

必要書類は、住宅の種類や取得方法などによって異なります。
なお、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に不動産番号などの所定の事項を記載することで、登記事項証明書の添付を省略できる場合もあります。
実際に必要となる書類や添付要件は、住宅の取得状況などに応じて確認しましょう。

2年目以降、年末調整で控除を受けるには、従業員から勤務先へ必要書類を提出してもらいます。会社では、提出された書類を確認し、年末調整の処理を進めます。
なお、提出書類は「証明書方式」と「調書方式」で異なります。会社では、それぞれの方式で必要となる書類を把握し、従業員への案内や書類の回収に備えておきましょう。

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 証明書方式と調書方式、会社が確認しておきたいこと

住宅ローン控除の手続きには、年末残高情報の取得方法や使用する書類が異なる「証明書方式」と「調書方式」の2つがあります。

証明書方式では、金融機関が従業員に「年末残高等証明書」を交付します。
従業員は、この証明書と税務署から届く申告書をあわせて勤務先に提出します。

一方、調書方式では、金融機関が税務署に直接、年末残高等調書を提出します。
税務署側で残高を把握できるため、原則として、年末残高や控除見込額があらかじめ記載された控除証明書が従業員に交付されます。調書方式の場合、金融機関が発行する「年末残高等証明書」の提出は不要となる点が大きな特徴です。
ただし、調書方式を利用するには、従業員本人が借入先の金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を提出している必要があります。なお、すべての金融機関が調書方式に対応しているわけではありません。

借換えがある場合や、金融機関から複数の調書が提出されている場合などは、控除証明書に年末残高が記載されないことがあります。その場合は、返済予定表(償還予定表)などで年末残高を確認します。

■ 方式による違い(年末調整での書類と交付時期)
(1)会社が受け取る書類
 ・証明書方式:「住宅借入金等特別控除申告書」(※用紙の下部が控除証明書)と、金融機関の「年末残高等証明書」
 ・調書方式 :「住宅借入金等特別控除申告書」(※用紙の下部が控除証明書)のみ

(2)交付時期(目安)
【書面】
 ・証明書方式:入居2年目の10月下旬頃(残り年数分を一括)
 ・調書方式 :入居2年目の11月下旬頃(残り年数分を一括)

【電子】
 ・証明書方式:毎年10月頃
 ・調書方式 :毎年11月中旬頃

※書面の場合は、方式にかかわらず、2年目にまとめて届いた用紙を従業員本人が保管し、毎年1枚ずつ提出する仕組みです。実務では「今年は税務署から届かない」という誤解や用紙の紛失が多いため、事前の注意喚起が欠かせません。

※調書方式の書面では、年末残高や控除見込額が印字されるのは「入居2年目分のみ」です。3年目以降は残高が印字されないため、金融機関の返済予定表などで年末残高を確認する必要があります。

※電子交付を希望する場合は、確定申告の際にe-Taxでの受取を選択します。調書方式では、あらかじめe-Taxで電子交付への一括同意の手続きも必要です。

※交付時期は目安です。確定申告書の提出時期などによって異なる場合があります。

会社では、方式ごとの提出書類や用紙の届き方の違いを把握し、従業員への案内や年末調整の書類回収に役立てましょう。

参考:国税庁リーフレット:年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について

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 年末調整の電子化で、確認や入力の負担を減らす

年末調整では、住宅ローン控除や保険料控除など、従業員から提出された申告書や証明書の確認に手間がかかります。紙の書類をもとに処理する場合は、システムへの入力や転記内容の確認も必要となり、担当者の負担が大きくなりがちです。

こうした負担を減らす方法の一つが、年末調整の電子化です。申告書の作成や控除額の計算に電子データを活用し、会社側でも対応するシステムに取り込んで処理することで、手入力や転記の負担軽減が期待できます。

住宅ローン控除では、調書方式を利用する場合、従業員はマイナポータル連携などを通じて年末残高情報を取得できます。また、2年目以降の年末調整で使用する控除証明書等も、一定の要件を満たせば電子交付を受けられます。

生命保険料控除や地震保険料控除についても、保険会社のウェブサイトやマイナポータル連携などを通じて、控除証明書の電子データを取得できる場合があります。

ただし、電子化には、従業員が電子データを取得・提出できることに加え、会社側もそのデータを処理できることが必要です。会社のシステムが対応していても従業員が電子データを提出できない場合や、従業員が提出できても会社側で処理できない場合には、電子化のメリットを十分に活かせません。

会社では、まず利用しているシステムの対応状況を確認しましょう。
対応できる場合は、従業員に電子データの取得・提出方法を案内します。最初から全従業員に電子化を求めるのではなく、対応できる従業員から利用を進める方法も一案です。

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 まとめ

住宅ローン控除は、令和8年の改正により、借入限度額や控除期間、床面積要件などが見直されています。適用条件は住宅の性能や入居年、世帯の要件などによって異なるため、個別の条件を確認することが大切です。

給与所得者は、初年度に原則として確定申告を行い、2年目以降は必要書類を勤務先に提出することで、年末調整による控除を受けられます。会社では、証明書方式と調書方式の違いや、それぞれの提出書類・交付時期を把握し、従業員への案内や書類の回収に備えましょう。

また、年末調整の電子化は、確認や入力の負担を減らす方法の一つです。まずは利用しているシステムの対応状況を確認し、電子データを活用できる範囲から取り入れることで、年末調整業務の効率化につなげていきましょう。

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KING OF TIME 情報

KING OF TIMEでは年末調整の電子化に対応しており、従業員からの各種申告書や控除証明書のデータを取り込むことができるので、書類回収やデータ入力・確認作業の負担を軽減し、効率的な年末調整業務を実現できます。

■年末調整データの保存期間
■年末調整で回収した各種控除書類の管理方法
■年末調整の申告書を紙で収集する場合の税額の計算方法

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修者紹介

税理士法人TOTAL 総合経営サービス事務所 植松 伸

下町生まれの税理士の植松伸です。
税理士になる前は建設系の労働組合で働いていたので、建設業等の許認可や健康保険事務組合の知識もあり、それらの業務を弊社グループ内へつなぐことも大事にしています。
趣味は観賞魚飼育で、現在自宅に水槽が10個あります。
魚を眺めたり、水の音はとてもリラックスできるのですが、水槽の掃除等のメンテナンスに時間がかかるので、ちょっと増やしすぎたと反省する毎日です。

監修元:税理士法人TOTAL 総合経営サービス事務所

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