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雇用契約書、日付だけ書き換えていませんか?契約更新の転記ミスと更新漏れを防ぐ電子化の考え方

公開日:2026年8月20日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等


雇用契約書、日付だけ書き換えていませんか?契約更新の転記ミスと更新漏れを防ぐ電子化の考え方

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ はじめに
◆ この記事でわかること
◆ 契約更新で起こりやすい3つの問題
◆ 契約社員・パートの更新時に確認すべき項目
◆ 契約更新業務を進める6つのステップ
◆ まとめ
◆ よくある質問(FAQ)

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 人事労務の従業員情報から契約書を作成する
◆ 更新時期に気づく仕組み

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 はじめに

契約社員やパート・アルバイトの雇用契約を更新するときは、契約終了日を把握するだけでなく、時給や勤務日数など一人ひとり異なる条件を確認する必要があります。前回の契約書を複製して日付だけを書き換えていると、古い時給が残ったり、更新自体を見落としたりしかねません。本記事では、契約更新で起こりやすい問題と確認すべき項目、そして転記ミス・更新漏れを防ぐ業務の進め方を解説します。

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 この記事でわかること

・契約更新で起こりやすい3つの問題
・更新時に確認すべき項目と、近年の改正で追加された明示事項
・契約書と人事・給与・勤怠の情報を一致させる考え方
・契約終了日の把握から締結までの業務フロー

【この記事のまとめ】契約更新では、契約期間だけでなく時給や勤務日数など従業員ごとに異なる条件を、更新日時点の条件に合わせて見直す必要があります。つまずきやすいのは、更新時期に気づけない、古い条件を転記する、人事・給与・勤怠・契約書の情報が食い違う、という3点です。これらを防ぐには、更新後の条件を人事情報に反映してから契約書へ出力する順序を守り、契約終了日の把握から締結までを一連の業務として管理することが有効です。

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 契約更新で起こりやすい3つの問題

入社手続きと違い、契約更新は同じ従業員に対して繰り返し発生します。しかも対象者は毎回入れ替わり、時給や勤務日数といった条件も更新のたびに変わります。年度替わりなど特定の時期に更新が集中する企業では、数十名から数百名分の確認と書類作成が短期間に重なることも珍しくありません。

こうした状況では、契約書を作成する作業そのものよりも、その前後の確認が抜けやすくなります。特に次の3つが問題になりやすいポイントです。

① 更新時期に気づけない

有期契約の従業員は、契約開始日と終了日が一人ひとり異なります。表計算ソフトや担当者の記憶だけで管理していると、更新の検討や本人への説明を始める時期が遅れます。時給や勤務日数の見直しを伴う場合は、本人と話す時間も必要です。契約満了の直前に着手すると、合意がないまま次の期間に入ってしまうこともあります。

更新しない場合も同様です。有期労働契約が3回以上更新されている方や1年を超えて継続勤務している方について更新しないときは、あらかじめ契約を更新しない旨が明示されている場合を除き、契約期間満了日の30日前までに予告することが求められます。つまり「更新する人」だけでなく「更新しない人」の期限も把握しておく必要があります。

② 古い時給や契約期間を転記する

前回の契約書を複製して変更箇所だけを手入力する運用では、時給の更新を忘れたり、別の従業員の日付が残ったりします。書類の体裁が整っていても、作成に使った情報が古ければ意味がありません。誤りは交付後に気づくことが多く、そのときには従業員への説明と書類の作り直しが必要になります。

③ 人事・給与・勤怠・契約書の情報が食い違う

人事情報、給与計算、勤怠管理、契約書は別々に管理されていることが多く、更新のたびに揃えて直さないと食い違いが生じます。例えば同じ従業員について、人事情報では時給1,300円、給与計算の設定では1,250円、雇用契約書では1,200円といった状態が生じることがあります。どれが正しいかを確認して各データを直す作業が発生し、誤った金額で計算していれば差額の精算も必要です。

影響は金額だけではありません。所定労働日数や所定労働時間の記載は、年次有給休暇の付与日数にも関わります。契約書に書く条件は、そのまま日々の労務管理の前提になります。

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 契約社員・パートの更新時に確認すべき項目

契約更新では、賃金や勤務時間などが更新日時点の条件と一致しているかを確認します。同じ雇用形態でも、全員の条件が同じとは限らないため、次の項目を一人ひとり確認しましょう。

・契約期間:新しい契約開始日・契約終了日
・契約更新:更新の有無、判断基準、更新上限の有無と内容
・賃金:時給・基本給と、変更後の適用開始日
・手当:通勤手当、資格手当、役職手当など
・労働時間:所定労働日数、所定労働時間、始業・終業時刻
・休日・業務内容・就業場所:現在の内容と、それぞれの変更の範囲

前回の契約書を複製する場合は特に注意が必要です。日付だけを変更して他を確認しないと、変更前の条件が残ります。時給を見直した場合は、新しい金額といつから適用するのかを明確にしておきましょう。

法改正で追加された明示事項

上に挙げた項目は、労働条件として従業員に明示することが求められる内容を含みます。近年の改正では、以下のとおり追加が続いています。

2024年4月から:すべての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時に、就業場所と業務の「変更の範囲」を明示する必要があります。有期労働契約では、更新上限の有無と内容も明示事項です。また、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込めることと無期転換後の労働条件を明示しなければなりません。

2026年10月から:パートタイム・有期雇用労働者については、これまでの昇給・賞与・退職手当の有無と相談窓口に加えて、「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨の明示が必要になります。モデル労働条件通知書も改定されているため、あわせて確認しておきましょう。

更新の判断基準が曖昧だと、雇止めの場面で「更新されると聞いていた」という主張につながりかねません。勤務成績や経営状況といった基準まで具体的に記載しておきましょう。認識の違いが招くトラブルと改正への対応は、労使間の認識の齟齬とトラブル防止について解説した記事でも取り上げています。

参考:2024年4月から労働条件明示のルールが変わります(厚生労働省)パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(厚生労働省)

契約更新は「説明する機会」にもなる

2026年10月には雇用管理指針も改正されます。パートタイム・有期雇用労働者から求めがない場合であっても、労働契約の更新時などに、正社員との待遇差の内容・理由に関する分かりやすい資料を交付したり、説明を求めることができる旨を周知したりする対応が望ましいとされています。契約更新は書類を作る作業であると同時に、待遇について本人と話す機会でもあります。

労働条件の記載は、従業員の扶養の手続きにも使われる

具体的な記載が求められるのは、明示義務の場面だけではありません。2026年4月以降、一定の条件を満たす場合には、労働条件通知書などに記載された賃金から見込まれる年間収入によって、健康保険の被扶養者認定が行われます。判定するのは扶養する側が加入している保険者ですが、資料になるのは自社が交付した書類です。

なお、被扶養者になった日から起算して契約期間が1年未満の場合は、この取扱いを利用できません。労働時間を「シフト制による」、手当を「通勤手当有」とだけ記載している場合も、具体的な時間や金額が分からないため利用できません。記載が不明確なために利用できないときは従来どおりの判定となるため、労働条件が明確にわかる書類の交付や再発行を従業員から依頼されることもあります。この改正への対応は2026年度の法改正への備えを解説した記事でも取り上げています。

参考:労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて(日本年金機構)

正社員の条件変更も記録に残す

正社員でも、昇給や手当の変更、勤務地・職種の変更などで労働条件が変わります。契約書を作り直す義務はありませんが、労働条件の変更は労使の合意によることが原則です。変更後の金額と適用開始日を、辞令や労働条件変更通知書などで双方が確認できるようにしておきましょう。

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 契約更新業務を進める6つのステップ

前章までに挙げた問題を防ぐには、書類の作成だけを切り出して考えるのではなく、更新時期への気づきから締結までを一連の業務として管理することが有効です。

1. 気づく:契約終了日が近い従業員を抽出し、検討を始める時期を把握します。更新しない可能性がある方は、雇止め予告の対象になるかも確認します。
2. 決める:あらかじめ示している更新基準を踏まえて更新の有無を判断し、新しい契約期間や時給を決定します。
3. 更新する:確定した条件を人事情報へ登録します。契約書を先に作ってから人事情報を直すのではなく、まず人事情報を最新にし、その内容を各所へ反映する順序を守ると、どれが正しいかで迷わずに済みます。給与計算・勤怠管理の設定に加え、就業規則や賃金規程との整合性も確認しましょう。
4. 作る:前回の契約書を複製するのではなく、最新の人事情報をもとに書類を作成します。共通テンプレートを使う場合も、人ごとに差し替わる項目を確認します。
5. 伝える:条件が変わる場合は変更点を本人に説明し、会社と従業員が同じ条件を理解しているかを確認します。待遇差についての説明を求められた場合に備え、資料を用意しておくことも考えられます。
6. 締結する:誰の書類が未作成か、誰の締結が完了していないかを把握し、締結後に各データが一致しているか最終確認します。

紙を電子化するだけでは、転記作業は残る

雇用契約書をPDFにし電子署名で締結できるようにしても、人事情報を見ながら書類へ同じ内容を入力している限り、転記の手間とミスの可能性は残ります。電子化を検討するときは、押印や郵送をなくすことだけでなく、基準となる情報を繰り返し入力しなくて済む運用にできるかという視点も持っておきたいところです。

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 まとめ

雇用契約の更新は、前回の契約書の日付を書き換える業務ではありません。契約社員やパート・アルバイトは条件が一人ひとり異なるため、更新時期を把握したうえで、最新の条件を個別に確認する必要があります。

大切なのは、実際の労働条件、人事情報、給与・勤怠の設定、社内規程、契約書の内容を一致させることです。そのうえで、同じ情報をもとに契約終了日への「気づき」と書類の「作成」を行える運用を整えることが、転記ミスと更新漏れの両方を防ぐ近道になります。

雇用契約書と労働条件通知書の違いや電子交付の要件については、以下の過去記事で解説しています。
参考記事:【電子契約】雇用契約書(労働条件通知書)の電子化

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 よくある質問(FAQ)

Q. 契約更新のときも、労働条件通知書は必要ですか?

A. 必要です。有期労働契約では、最初の締結時だけでなく更新時にも明示が求められます。契約期間、更新基準、賃金、勤務時間などが更新後の条件と一致しているか確認してください。

Q. 時給を変更した場合、雇用契約書も作り直す必要がありますか?

A. 更新のタイミングで新しい時給を適用する場合は、更新後の労働条件として明示します。契約期間の途中で変更する場合は、契約書一式の再作成が一律に必要とは限りませんが、変更後の金額と適用開始日を双方が確認できる文書を残し、人事情報や給与計算の設定も同じ金額に揃えましょう。

Q. 有期契約を更新しない場合、いつまでに本人へ伝える必要がありますか?

A. 有期労働契約が3回以上更新されている方や、1年を超えて継続勤務している方について契約を更新しないときは、あらかじめ契約を更新しない旨が明示されている場合を除き、契約期間満了日の30日前までに予告することが求められます。更新する従業員だけでなく、更新しない従業員についても契約終了日を把握しておく必要があります。

Q. 労働条件通知書は、メールで送ってもよいですか?

A. 労働者が希望した場合は、FAXや電子メールなどの方法で明示できます。ただし、書面として出力できるものであることが必要です。希望していない方に一律で電子的に送ることはできないため、紙での交付を希望する方に応じられる体制もあわせて整えておきましょう。また、送信しただけでは足りず、本人が内容を確認できる状態になっていることも重要です。

Q. 契約終了日が従業員ごとに違う場合、どう管理すればよいですか?

A. 従業員ごとに契約開始日と終了日を管理し、契約満了より前に対象者を抽出できる運用を整えます。更新の判断や書類の交付・締結の進捗もあわせて把握できるようにすると、作業漏れを防げます。

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KING OF TIME 情報

2026年7月28日のアップデートにより、KING OF TIME 人事労務に登録した従業員情報をもとに、KING OF TIME 電子契約で雇用契約書の作成から締結までを行えるようになりました。

人事労務の従業員情報から契約書を作成する

氏名や契約期間、賃金などの項目に差し込みタグを設定したテンプレートを用意しておけば、対象の従業員を選ぶだけでKING OF TIME 人事労務の登録情報が自動で反映されます。従業員ごとに記載内容が異なる雇用契約書も、テンプレート1つでまとめて作成できます。雇用契約書のサンプルテンプレートも用意されているため、コピーして自社の内容に合わせて編集し、使い始めることもできます。

新規テンプレート作成の管理画面

書類作成時に「人事労務データ基準日」を指定すると、その日付時点で適用されるKING OF TIME 人事労務の登録情報を反映した契約書を作成できます。あらかじめKING OF TIME 人事労務に更新後の労働条件(時給、契約期間など)を登録しておくことで、契約更新日を基準日に指定すれば、更新後の労働条件を反映した契約書を、更新日を迎える前に用意しておくことも可能です。

新規書類作成の管理画面

作成した書類はそのまま署名依頼まで進められ、締結状況も確認できます。なお、締結後にKING OF TIME 人事労務の登録情報を変更しても、すでに送信・締結した書類の内容は変わりません。締結した時点の条件がそのまま残ります。

書類作成の準備から従業員の電子締結までの流れは、オンラインヘルプの「実務活用ガイド」で詳しく解説しています。テンプレートに設定できる項目や、よくある質問もまとめています。
入社・異動時の契約業務を効率化|KING OF TIMEシリーズで書類作成から締結までスムーズに

あわせて、個別の操作手順は以下からご確認いただけます。
KING OF TIME 人事労務の従業員情報を使用した書類の作成方法
テンプレートの作成手順から書類の作成方法までをご確認いただけます。

更新時期に気づく仕組み

従業員情報の「契約期間の定め」を「有」にして有期契約終了日を登録しておくと、あらかじめ設定した通知日に管理者へお知らせが届きます。通知日は最大3つまで設定できるため、条件を検討する時期と書類を作成する時期を分けて知らせることもできます。なお通知は初期状態では設定されていないため、ご利用にあたっては設定が必要です。
「有期契約終了日」の通知方法
有期契約終了日の登録方法と、通知日の設定手順をご確認いただけます。

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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