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労務情報

令和8年度 高年齢者・障害者雇用の報告書対応
提出実務を中心に、労務管理・人材活用・データ整備まで整理

公開日:2026年5月28日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等


令和8年度 高年齢者・障害者雇用の報告書対応

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ 何となく手続きを進めていませんか?
◆ 2つの報告書の概要
◆ 提出期限・提出方法の確認
◆ 押さえておきたい「高年齢者雇用」の実務
◆ 押さえておきたい「障害者雇用」の実務
◆ あわせて確認したい雇用関連の届出
◆ データ整備・活用による業務効率化
◆ まとめ 届出業務を、自社の雇用を見直すきっかけに

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 何となく手続きを進めていませんか?

今回は、「高年齢者雇用状況等報告書」と「障害者雇用状況報告書」についてです。

少子高齢化や人手不足が進む中、高年齢者や障害者の雇用は、多くの企業にとって重要なテーマとなっています。

本記事では、2つの報告書の概要や提出方法に加え、高年齢者雇用・障害者雇用の制度の概要、実務上の注意点、さらに人事データの整備・活用の考え方まで解説します。

「毎年の作業」で終わらせず、自社の雇用や労務管理を見直すきっかけとしていただければと思います。

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 2つの報告書の概要

まずは、2種類の報告書の全体像を整理します。

①高年齢者雇用状況等報告(高年齢者雇用安定法)
・対象:常時雇用する労働者が21人以上の会社
・内容:定年制度、継続雇用制度、65歳・70歳までの就業確保措置の状況など

②障害者雇用状況報告(障害者雇用促進法)
・対象:常時雇用する労働者が40人以上の会社
・内容:障害者雇用数、法定雇用率の達成状況など

※現行(令和8年6月1日時点)の民間企業の法定雇用率は2.5%です。
今回の報告書は6月1日時点の状況で判定するため、今年度の報告にはこの基準が適用されます。なお、令和8年7月1日以降、民間企業の法定雇用率は2.7%に引き上げられ、報告義務対象の会社も37.5人以上へ拡大されます。

■「常時雇用する労働者」とは
いずれの報告書も、以下を満たす労働者が対象です。
・週所定労働時間20時間以上
・1年以上継続して雇用されている、または継続雇用が見込まれる

※短期契約でも、更新実績などから継続雇用が見込まれる場合は対象となることがあります。

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 提出期限・提出方法の確認

2つの報告書の提出期限や提出方法は、以下のとおりです。

■提出先・期限・方法<共通事項>
・提出期限:毎年7月15日(休日の場合は翌開庁日)
・基準日 :毎年6月1日時点(同日時点の状況を記載)
・提出先 :本社を管轄するハローワーク
・提出方法:郵送・窓口持参・e-Gov電子申請

※対象事業所には例年ハローワークから関連書類が送付されます。届かない場合は、厚生労働省ホームページからダウンロード可能です。
※e-Govによる電子申請は、24時間利用可能で、複数事業所の管理や業務効率化にも有効です。

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 押さえておきたい「高年齢者雇用」の実務

高年齢者雇用安定法では、会社に以下の措置が義務または努力義務として求められています。

■会社に求められる措置
・65歳までの雇用確保措置(義務)
 定年廃止、定年延長、継続雇用制度導入のいずれか

・70歳までの就業確保措置(努力義務)
 上記に加え、業務委託契約や社会貢献事業への従事制度などを含む措置

■実務上の注意点
制度は就業規則等に定めるだけでなく、実際の運用を見据えて整備することが重要です。特に定年再雇用(有期契約)の場合は、仕事内容・責任・待遇のバランスについて十分に検討しておきましょう。

■参考: 高年齢者の雇用 雇用する上でのルール(厚生労働省)

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 押さえておきたい「障害者雇用」の実務

障害者の雇用に関しては、障害者雇用促進法により、一定規模以上の会社には、法定雇用率以上の障害者を雇用することが義務付けられています。

■法定雇用率
現行(令和8年6月1日時点)の民間企業の法定雇用率は2.5%です。常時雇用労働者40人以上の会社では、1名以上の障害者雇用が必要となります。
なお、令和8年7月1日以降、民間企業の法定雇用率は2.7%に引き上げられ、報告義務対象の会社も37.5人以上へ拡大されます。
また、常時雇用労働者100人超の会社では、法定雇用率未達成の場合に「障害者雇用納付金」(不足1人につき月額50,000円)の納付対象となります。

■基本的な障害者のカウント方法
障害者数のカウントは、障害の種類・程度・週所定労働時間によって異なります。
例えば、重度身体・知的障害者は2人分として算定される一方、短時間労働者は0.5カウントとなる場合があります。

※精神障害者や「特定短時間労働者」の取扱いには特例があります。

■実務上の注意点
カウント方法を誤ると、法定雇用率の達成状況に直接影響します。また、障害者手帳の有効期限切れにより対象外となる場合もあるため、定期的な確認が重要です。

■採用・定着に向けた視点
障害者雇用では特に、「どのような業務を任せるか」「どのような配慮が必要か」を事前に整理しておくことが重要です。
また、近年は精神障害者手帳の取得者数が増加しており、精神障害のある方の雇用も広がっています。一方で、体調面への配慮や支援が必要となるケースもあります。
どのような方でも安心して働き続けられる環境を整える視点が大切です。自社の就業規則における休職制度(休職期間・復職基準・休職中の給与の取扱いなど)についても、改めて確認しておくとよいでしょう。

■参考
法定雇用率制度
障害者雇用納付金制度(厚生労働省)

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 あわせて確認したい雇用関連の届出

今回取り上げた報告書以外にも、会社の状況によって必要となる届出があります。

(1)外国人雇用状況の届出
・対象企業:外国人労働者を雇用する事業主
・提出先 :ハローワーク
・提出時期:雇入れ・離職の都度(年1回ではない)
・提出書類:雇用保険被保険者は「資格取得届・喪失届」
      それ以外は「外国人雇用状況届出書」

(2)労働者派遣事業報告書
・対象企業:労働者派遣事業の許可を受けている事業主
・提出先 :都道府県労働局
・提出時期:
  ①労働者派遣事業報告書・・・・6月1日〜6月30日
  ②収支決算書・・・・・・・・・事業年度終了後3か月以内
  ③関係派遣先派遣割合報告書・・事業年度終了後3か月以内

※派遣実績がない場合でも、許可を受けている場合は提出が必要です。

■参考
外国人雇用状況の届出について(厚生労働省)
労働者派遣事業関係(4 事業報告について)(厚生労働省)

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 データ整備・活用による業務効率化

報告書作成では、必要なデータが散在していると、収集や集計に多くの時間がかかります。日頃から人事・労務データを整備し、一元管理しておくことが重要です。

■整備しておきたいデータ例
・年齢・性別・雇用形態・週所定労働時間
・障害の種類・程度・障害者手帳の有効期限
・国籍・在留資格・雇用保険加入状況
・雇用開始日・契約更新状況

これらのデータは、報告書作成だけでなく、人材活用や採用計画の検討にも役立ちます。

「報告書提出のためにデータを集める」のではなく、「日頃から整備し、経営に活かす」という視点を持つことで、結果として業務効率化にもつながります。

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 まとめ 届出業務を自社の雇用、労務管理を見直すきっかけに

毎年の届出業務は、「こなすだけの作業」になりがちです。しかし、今回取り上げた報告書も、見方を変えれば、自社の雇用や人材活用を見直すきっかけになります。

●人材活用の視点
 高齢者・障害者・外国人など、多様な人材をどのように活かすか。受け入れ体制や就業ルールは整備されているか。

●データ活用の視点
 人事・労務データを整備・一元管理することで、報告業務の効率化だけでなく、採用計画や経営判断にも活かせる状態になっているか。

●仕組みづくりの視点
 日々の業務に追われる中でも、こうしたことを考える時間をどう確保するか。

「考える時間がない」という声はよく聞きます。だからこそ、システム化やAI活用、アウトソーシングなども取り入れながら、担当者が日々の定型業務だけでなく、人材活用や組織づくり、将来を見据えた課題検討に時間を使える環境を整えていくことが重要です。

届出業務をきっかけに、自社の労務管理や人材活用のあり方を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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