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令和8年度の労働保険「年度更新」ガイド|基本から実務の進め方、注意点、効率化まで解説

公開日:2026年4月23日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等


令和8年度の労働保険「年度更新」ガイド|基本から実務の進め方、注意点、効率化まで解説

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ 年度更新は年に1度だからこそミスも起こりやすい
◆ 令和8年度の申告・納付期間と主な変更点
◆ 押さえておきたい年度更新の基本
◆ 実務の進め方①(年度更新の準備)
◆ 実務の進め方②(確定保険料・概算保険料の算出)
◆ 実務の進め方③(申告書の提出・保険料納付)
◆ 年度更新の業務自動化チェックリスト
◆ 令和10年10月からの雇用保険適用拡大への備え
◆ まとめ

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 「KING OF TIME」での労働保険年度更新の操作方法

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 年度更新は年に1度だからこそミスも起こりやすい

今回は、令和8年度の労働保険の「年度更新」についてです。
年度更新は、年に1度の手続きですが、保険料の計算ミスや対象者の漏れなどが起こりやすい業務でもあります。
本ブログでは、今年の変更点や実務の進め方から、業務効率化のポイントまで解説します。

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 令和8年度の申告・納付期間と主な変更点

まずは、今年の申告・納付期間と主な変更点を確認していきましょう。

■申告・納付期間
2026年6月1日(月)~7月10日(金)

■主な変更点
①雇用保険料率の改定
令和8年4月1日より雇用保険料率が改定されています。
・令和7年度の確定保険料・・・旧料率
・令和8年度の概算保険料・・・新料率

※年度更新では、新旧両方の料率を使用するため、混同に注意が必要です。給与システムの設定なども更新漏れがないよう確認しておきましょう。

②電子申請義務化法人への対応(紙申告書の送付廃止)
資本金1億円超の法人など、電子申請が義務化されている企業には、紙の申告書が送付されなくなっています。案内に基づき、電子申請(e-Gov等)で手続きを行います。

③相談窓口の統合
従来の「労働保険相談チャット」は終了し、令和8年4月1日より「労働基準監督署チャットボット」へ統合されています。

■参考:
令和8年(2026年)度 雇用保険料率のご案内(厚生労働省)
労働基準監督署チャットボット(厚生労働省)

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 押さえておきたい年度更新の基本

年度更新は、前年度の保険料を精算し、あわせて今年度分を前払いする手続きです。

・確定保険料(前年度分の保険料)
前年度(令和7年度)に支払いが確定した賃金総額をもとに、本来納めるべき保険料を算出します。

・概算保険料(今年度分の保険料)
今年度(令和8年度)に支払う見込みの賃金総額をもとに、あらかじめ納める保険料を算出します。

これらをもとに、次の流れで最終的な納付額が決まります。
まず、前年度に納付している概算保険料と今回算出した確定保険料を比較し、その差額を精算します。

・不足している場合・・・・追加で納付
・多く納めている場合・・・還付または当年度分へ充当

そのうえで、今年度の概算保険料を加算し、最終的な納付額が確定します。

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 実務の進め方①(年度更新の準備)

ここからは、実務の流れに沿って整理します。
年度更新では、前年度の1年分の賃金データの集計が保険料計算の基礎となるため、最も重要な作業となります。

(1)労働保険の対象者の確認
①労災保険:パート・アルバイトを含む、すべての労働者が対象です。
②雇用保険:週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある労働者が対象です。
※役員(労働者性のない方)は対象外ですが、兼務役員は労働者分のみ対象となります。

(2)前年度(令和7年度)の賃金集計
今年の年度更新では、令和7年4月1日~令和8年3月31日までに「支払いが確定した賃金」を集計します。集計は、労災保険・雇用保険の区分ごとに行います。

(3)当年度(令和8年度)の賃金見込額を算定する
今年は、令和8年4月1日~令和9年3月31日に支払う見込みの賃金総額を算定します。
原則は、前年度実績をベースとしますが、大幅な増減(50%未満または200%超)が見込まれる場合は、実態に沿った見込額を計上します。

【集計のポイント】
①集計の基準
・集計する賃金は「支給日」ではなく、支払いが「確定した日(締め日)」で判断します。
(例)令和8年3月末締め、4月25日支給の給与→ 令和7年度の賃金に含める
・過去から継続して別の基準で集計している場合は、そのルールを継続しても差し支えありません。
➡重要なのは「毎年同じ基準で集計すること」です。

②社会保険との違い
・社会保険は「支給日ベース」で算定するため、取り扱いが異なります。
➡混同しないよう注意が必要です。

③賃金集計の範囲
・含めるもの
基本給、各種手当(通勤手当・役職手当・残業手当など)、賞与、現物給与など

・含めないもの
役員報酬(役員分)、退職金、慶弔見舞金、実費弁償的な出張旅費など
➡この点も事前にチェックしておきましょう。

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 実務の進め方②(確定保険料・概算保険料の算出)

申告書には、集計した人数や賃金総額等に加え、確定保険料と概算保険料を算出し、記載します。
ここでは、考え方を整理しておきましょう。

①確定保険料(令和7年度分)
令和7年度に支払いが確定した賃金総額に、「令和7年度の保険料率(旧料率)」を適用して算出します。

②概算保険料(令和8年度分)
令和8年度に支払う見込みの賃金総額に、「令和8年度の保険料率(新料率)」を適用して算出します。
※雇用保険料率は令和8年4月に改定されているため、料率の適用誤りに注意が必要です。

③差額の精算
前年度に納付済みの概算保険料と、今回算出した確定保険料との差額を精算します。
・不足している場合 → 追加納付
・多く納めている場合 → 還付または当年度へ充当

④年度更新の納付額
(確定保険料 − 前年度の概算保険料)+ 今年度の概算保険料
※不足・過納に応じて精算されます

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 実務の進め方③(申告書の提出・保険料の納付)

最後に、申告書の提出方法と保険料の納付方法です。

①申告書の提出先と方法
・提出先:管轄の労働基準監督署または都道府県労働局です。
・提出方法:郵送・窓口提出のほか、e-Govを利用した電子申請も利用できます。

電子申請を利用することで、24時間いつでも申請可能、郵送や持参の手間を削減できます。業務効率化の観点からも活用をおすすめします。

②保険料・一般拠出金の納付
納付方法は以下のとおりです。
・納付書による支払い
・口座振替
・電子納付(Pay-easy等)

③納付期限
今年は、令和8年7月10日(金)です。
なお、次のいずれかに該当する場合は、保険料を3回に分けて納付(延納)することができます。
・概算保険料が40万円以上
(労災保険または雇用保険のみ加入の場合は20万円以上)
・労働保険事務組合に事務委託している場合

【納付期限(延納の場合)】
・第1期:当年 7月10日
・第2期:当年10月31日
・第3期:翌年 1月31日

■参考:令和8年 労働保険年度更新申告書の書き方(厚生労働省)
継続事業用
一括有期事業用

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 年度更新の業務自動化チェックリスト

年度更新は、年に1度の業務ですが、手作業で行っている場合は、作業負担が大きく、転記ミスなどのリスクも高くなります。
この業務は、「給与計算」「賃金集計」「申告」「納付」といった複数の作業で構成されています。
まずは、それぞれの業務について、自社の対応状況を確認してみましょう。

①給与計算・賃金台帳の作成(給与システム)
□給与計算・賃金台帳作成はシステムで行っている
→賃金台帳の手作成が不要

②賃金集計・集計表の作成(システムの機能)
□年間の賃金集計・集計表の作成はシステムで行っている
→Excelへの転記・集計作業が不要

③申告書の提出(e-Gov等の活用)
□申告書の提出は電子申請で行っている
→郵送・窓口提出が不要
※e-Govを利用する場合、申告内容の入力は手作業

④申告業務全般の自動化(電子申請やシステム連携の活用)
□給与システム等で上記①➁③まで一貫して行っている
→年度更新に関する手作業等がほぼ不要

⑤保険料の納付
□保険料の納付は口座振替を利用している
→銀行窓口・ネットバンキングでの納付作業が不要

これらを組み合わせることで、年度更新業務の負担を段階的に軽減できます。

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 令和10年10月からの雇用保険適用拡大への備え

雇用保険は、令和10年10月より、適用対象が「週所定労働時間10時間以上」へと拡大される予定です。(現行:週20時間以上)

この改正により、これまで対象外だった短時間労働者も新たに対象となるため、対象者の増加に伴い、保険料負担および資格取得・喪失手続きなどの事務負担の増加が見込まれます。特に、パートタイマー等を多く雇用している企業では影響が大きくなります。

今回の年度更新にあわせて、以下の準備を進めておきましょう。
・週10時間以上20時間未満の労働者数の把握
・適用拡大を見据えた人件費シミュレーション
・勤怠管理・給与システムの運用見直し

制度改正を見据えて、早めに対応を進めておくことで、制度変更時の混乱を抑えることができます。

■参考:令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)に ついて(厚生労働省)

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 まとめ

労働保険の年度更新は、単なる保険料の申告・納付手続きではありません。
前年度の賃金や雇用状況を整理し、自社の労務管理を見直す「棚卸し」の機会でもあります。

また、年度更新業務についても、自社の状況を整理し、給与システムの活用や電子申請、口座振替などを組み合わせた「仕組み化」を検討してみてはいかがでしょうか。
一度仕組みを整えれば、翌年以降の作業は大きく効率化され、担当者の負担軽減とミスの防止につながります。

年度更新を「毎年の作業」で終わらせるのではなく、「業務改善のきっかけ」として活用していきましょう。

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KING OF TIME 情報

「KING OF TIME 給与」では、労働保険年度更新に必要な算定基礎賃金集計表の自動集計や、労働保険申告書のPDF出力が可能です。
操作方法については、以下のオンラインヘルプをご確認ください。

労働保険年度更新の操作方法

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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