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【社会保険情報】令和7年度の社会保険の算定基礎届

公開日:2025年6月26日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄


【社会保険情報】令和7年度の社会保険の算定基礎届

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ 算定基礎届とは?
◆ 令和7年度の算定基礎届
◆ 算定基礎届の留意点
◆ オンライン事業所年金情報サービスの活用

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 算定基礎届とは?

社会保険(健康保険や厚生年金保険など)の「算定基礎届(定時決定)」の提出は、年に一度必ず行う手続きです。この手続きで、社会保険における被保険者の実際の報酬額を確認し、「標準報酬月額」が決定し直されます。「標準報酬月額」は、従業員が加入する社会保険の保険料計算の基礎となる金額であり、将来受け取る年金額や万一の保険給付にも影響するため、「算定基礎届」の提出は、大切な手続きとなります。

従業員が負担する社会保険料の算出方法について、少し詳しく説明します。
まず、社会保険料は、従業員に支払われる「報酬」をもとに算出されます。
具体的には、給与や手当、残業代などの毎月の報酬を一定の等級(健康保険:1~50等級、厚生年金保険:1~32等級)に当てはめて標準報酬月額を決定し、それに応じた保険料を計算します。これを事業主(会社)と従業員が折半して負担する仕組みとなっています。

入社時や毎年の定時決定の際の報酬に応じて、標準報酬が決定されますが、その後、昇給や手当の追加・廃止、給与形態の変更などにより、実際の報酬月額と前回決定した標準報酬月額の間に乖離が生じる場合があります。そこで、毎年1回、すべての被保険者(社会保険に加入している従業員)について実際の報酬を確認し、標準報酬月額を見直す手続きが「定時決定」です。定時決定時に事業主が提出する書類が「算定基礎届」であり、具体的には以下の手順で進めます。
期の途中で報酬が大きく変動した場合は、一定の要件を満たすと、定時決定を待たずに「随時改定(月額変更届)」の対象となります。

① 対象となる従業員
毎年7月1日時点で社会保険に加入しているすべての従業員が対象となります。ただし、次のいずれかに該当する人は算定基礎届の対象外です。

・6月1日以降に資格取得した人
・6月30日以前に退職した人
・7月改定の月額変更届を提出する人
・8月または9月に随時改定(月額変更届)を予定している旨の申出を行った人

② 算定期間
毎年4月、5月、6月に「実際に支払った」報酬(基本給・各種手当・残業代、通勤手当など)が対象となります。この間に支払われた報酬の合計(総報酬額)を3で割った平均額を算定基礎額とします。労働保険の申告(年度更新)では、原則、給与計算期間(締め日基準)で集計するのに対し、社会保険では、支払日基準で集計となりますので、必ず確認しましょう。

③ 標準報酬月額の適用期間
こうして算出した標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用されます。
※給与から控除される金額がいつ変わるのかという点については、社会保険料は原則として翌月に徴収されるため、10月分の給与を支払う際(=10月に支給する給与)から新しい社会保険料の金額が適用されます。

なお、その年の9月から翌年8月までの間に大幅な給与変動(2等級以上の変動や固定的賃金の変動等)があった場合には、随時改定(月額変更届)で適宜見直しを行います。

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令和7年度の算定基礎届

令和7年度の算定基礎届の手続きについて、昨年から大きな変更はありません。例年どおり下記ステップを踏んで早めに準備を進めましょう。

① 事前準備
毎年6月中旬以降、日本年金機構から事業所あてに算定基礎届の用紙(被保険者の氏名や生年月日、前年度の標準報酬月額などが印字されたもの)が郵送されます。事業所に届いたら内容を確認し、もし印字内容に誤りや変更があれば、必要に応じて訂正を行います。

② 届書の作成
4月、5月、6月に実際に支払った賃金台帳や給与明細を用意し、対象者の報酬(基本給・各種手当・残業代、通勤手当など)の合計を3か月分確認します。
前述のとおり3か月の総報酬額を3で割り、その平均額を算定して標準報酬月額の等級を決定します。不明点や特殊な給与形態がある場合は、早めに管轄年金事務所へ相談をしましょう。

③ 届書の提出
提出期限は、2025年7月10日(木)です。
提出の際は管轄の年金事務所へ直接持参する方法のほか、郵送での提出や電子申請(e-Gov)など複数の方法があります。電子申請を利用すれば、業務の効率化に繋がるため、まだ紙で手続きを行っているようであれば導入をおすすめします。
※令和2年4月から、資本金または出資金の額が1億円を超える等の特定の法人は、社会保険に関する算定基礎届を含む一部の手続きについて、電子申請が義務化されています。

④ 結果通知の確認と給与システムへの反映
提出した算定基礎届が受理されると、日本年金機構が標準報酬月額を決定します。通常は8月下旬~9月上旬ごろに決定通知書が届き、9月分(10月支給給与)以降の保険料に反映されます。
標準報酬月額の変更(社会保険料控除額の変更)に伴い、従業員の給与計算システムの設定変更も必要となりますので、忘れずに対応を行います。

《 参考 》【事業主の皆さまへ】令和7年度の算定基礎届のご提出について|日本年金機構

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 算定基礎届の留意点

① 算定対象とならない従業員の確認
定時決定の対象は、原則として「7月1日現在在籍している被保険者」です。一方、6月1日以降に入社した従業員や、7〜9月に随時改定(月額変更届)を予定している従業員は今回算定に含めません。産休・育休・休職中で報酬支払いが無い場合でも、被保険者資格を喪失していなければ従前の標準報酬月額で決定します。

② 賞与は算定基礎届に含まれない
原則として賞与(一時金)は定時決定の算定対象外です。ただし、年4回以上支給される賞与は報酬と見なされ、算定対象に含まれます。その場合、7月1日以前の1年間(前年7月~当年6月)に受けた賞与の合計額を12で割った額を、4月・5月・6月の各月の報酬額にそれぞれ加えて標準報酬月額を算出します。

③ 報酬に含まれる手当の範囲
毎月恒常的に支払われる金銭給付(基本給、役職手当、家族手当、通勤手当、残業手当など)は、原則として報酬に含まれます。臨時的・恩恵的給付(慶弔見舞金、結婚祝い金、退職金など)は報酬に含めませんが、支給実態や名目が複雑な場合は届出漏れや過大計上に注意が必要です。

④ 支払基礎日数が17日(短時間労働者は11日)未満の場合
算定対象月(4~6月)のうち支払基礎日数がいずれも17日未満(短時間労働者は11日未満)の場合、従前の標準報酬月額を引き続き適用します。該当者がいないか、算定前に必ず確認しておきましょう。

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 オンライン事業所年金情報サービスの活用

令和7年度以降、被保険者データのCD(※)提供は終了し、「オンライン事業所年金情報サービス」での受取りに一本化されています。算定基礎届作成時に必要な最新情報をいち早く入手するため、以下のポイントを押さえておきましょう。
※CD:Compact Disc(コンパクトディスク)の略。日本年金機構が事業所に対して提供していた被保険者データを記録した物理媒体(CD-ROM)。

① サービス概要
e-Gov電子申請のマイページを通じて、社会保険料額情報や各種通知書を電子データで受け取れるサービスです。「保険料納入告知額・領収済額通知書」や「決定通知書」など多岐にわたる帳票を紙の郵送を待たずに確認できます。

② 利用申込みと必要環境
利用にはGビズIDまたは電子証明書が必要です。申込み完了時期によってデータ提供開始が前後しますので、算定基礎届のシーズンを見据えて早めに手続きを済ませておくと安心です。

③ 主なメリット
従来の郵送による通知書の受取りよりも早く、社会保険料や各種通知の内容を把握することができます。また、電子データとして入手することで、システムへの取り込みや帳票管理の電子化が容易になります。紙資料の保管スペース削減や検索性向上など、会社全体の事務負担の軽減が期待できるでしょう。

《 参考 》オンライン事業所年金情報サービス(事業主の方)|日本年金機構

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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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