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算定基礎届のミスは「2月」の行動で防げる!
繁忙期を制するシステム導入の最適解と年間DX戦略

公開日:2026年1月29日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等


算定基礎届のミスは「2月」の行動で防げる!繁忙期を制するシステム導入の最適解と年間DX戦略

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ よくある質問とそれに対する回答
◆ ベテランも陥る「よくある勘違い」
◆ システム導入による4つのメリット
◆ 算定基礎届のシステム化は「2月」開始がベストである理由
◆ システム導入で実現する「年間業務DX」の全体像
◆ まとめ

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 「KING OF TIME」シリーズで算定基礎届を提出するための機能

 よくある質問とそれに対する回答

Q. 昨年末の「年末調整」が大変すぎて、今年こそは絶対に業務効率化しようと心に決めました。次の大きな山場である7月の「算定基礎届」こそはシステム化して楽に乗り切りたいのですが、結局日々の業務に追われてしまいそうで不安です。

A. その「今年こそは」という決意は、今(2月)行動に移すのが正解です。算定基礎届を自動化するには、その計算根拠となる「4月〜6月の給与データ」がシステム内に正しく揃っている必要があります。夏以降では対応が難しくなりますが、今であれば十分に準備が可能です。さらに、今システム化しておけば、そのデータはそのまま年末調整にも活用できます。つまり、今(2月)動くことが、直近の夏を楽にするだけでなく、年間業務DXにつなげやすい選択肢の一つなのです。

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 ベテランも陥る「よくある勘違い」

毎年7月の算定基礎届。ベテランの人事労務担当者でも複雑な勤務形態への対応に神経を使っていませんか?「まだ2月なのに?」と思われるかもしれませんが、算定基礎届の効率化とミス防止の鍵は、手続き期間直前の6月や7月ではなく「2月」の初動にあります。
本記事では、日本年金機構の事例集などに基づく「陥りやすいミス」を再確認しつつ、なぜ今(2月)がシステム導入のベストタイミングなのか、そのロードマップと年間業務DXの全体像を解説します。

算定基礎届の基本については、過去のブログ記事【社会保険情報】令和7年度の社会保険の算定基礎届をご参照ください。

本記事では一歩踏み込み、日本年金機構の「令和7年度 算定基礎届の記入・提出ガイドブック」や関東ITソフトウェア健康保険組合の「算定基礎届等の記入誤りの多いところ」に基づき、ベテランでも間違いやすいポイントを解説します。

間違いやすいポイント1:対象者の選定
まず、対象者選定の原則と例外です。
算定基礎届の提出の対象となるのは、7月1日現在のすべての被保険者および70歳以上被用者です。ただし、以下のいずれかに該当する方は、算定基礎届の提出が不要です。

①6月1日以降に資格取得した方
②6月30日以前に退職した方
③7月改定の月額変更届を提出する方
④8月または9月に随時改定が予定されている旨の申し出を行った方

よくある間違いは、日本年金機構から送付される届書の情報と実態のズレによるものです。届書は5月中旬の情報で作成されるため、作成日以降の退職者が印字されていたり、新入社員が漏れていたりすることがあります。印字情報をそのまま信じて処理すると、対象者の過不足が生じる原因にもなります。

間違いやすいポイント2:支払基礎日数
次に、誤りが多い支払基礎日数のカウントです。
算定対象はあくまで「4月・5月・6月に実際に支払われた給与」です。そのため、月末締め翌月払いなどの場合で、3月の勤務分の給与(基本給や残業代)が4月に支払われるならば、それは「4月の報酬」として扱います。

給与形態別の計算方法も重要です。
月給制で欠勤控除がない場合は暦日数ですが、控除がある場合は「所定労働日数等から欠勤日数を差し引いた日数」を記入します。誤って暦日数で申告すると、標準報酬月額が適正に算出されないリスクがあります。日給・時給制の場合は、実際の出勤日数(有給休暇含む)となります。

さらに判定基準が複雑化しているのが、パートや短時間労働者です。
短時間就労者(パート、アルバイト等)は、週の労働時間等が「通常の労働者の4分の3以上」の方が該当します。原則は支払基礎日数が17日以上ですが、4〜6月がすべて17日未満でも、15日以上17日未満の月があれば、その月の平均で算定します。なお、4〜6月のすべてが15日未満の場合は、従前の標準報酬月額にて定時決定します。
一方、特定適用事業所等の短時間労働者は、「週20時間以上」等の要件を満たす方が対象で、支払基礎日数が11日以上ある月で算定します。
同じパートでも契約や事業所規模で支払基礎日数の考え方が異なるので、算出方法の正確な理解が必要です。

間違いやすいポイント3:報酬の範囲
報酬の範囲(対象・対象外)の判断も重要です。
計上すべきものは、基本給、通勤手当(定期代は1か月分に按分)、現物給与(食事・住宅等)、年4回以上の賞与などです。特に通勤手当の按分や現物給与の価額換算は、手計算ミスが多発します。
計上しないものは、年3回以下の賞与(標準賞与額の対象)、慶弔費、出張旅費などです。

間違いやすいポイント4:電子申請とプロセス課題
電子媒体(CD/DVD)提出でも、紙の「電子媒体届書総括票」の提出や、媒体へのラベル記入(事業所名・ID等)が必要です。アナログ対応が完全になくなるわけではありません。また、媒体作成や郵送の手間があるうえ、紛失や返戻のリスクも伴います。

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 システム導入による4つのメリット

算定基礎届には無数の「条件分岐」や「例外処理」が存在し、Excelや手作業での管理には限界があります。ここでクラウド型人事労務システムの優位性を解説します。

メリット1:手当マスタ設定による「都度判断」の廃止
システム導入の最大のメリットは判断の自動化です。
各手当の社会保険算定対象の可否を事前に設定できます。これにより、都度「この手当は対象か?」と迷う必要がなくなります。個人に依存しやすい業務構造にせず、常に正しい計算が行われるため、属人化を解消できます。

メリット2:複雑な判定ロジックの標準化
「支払基礎日数」などの判定ロジックも標準搭載されているシステムもあります。
欠勤月の基礎日数カウントや、パートの17日・15日・11日ルールの適用なども、勤怠データさえ正しければシステムが自動判定します。誰が操作しても同じ結果が出る状態は、コンプライアンス上も重要です。

メリット3:給与計算データとの相互連携による「転記ミス削減」の実現
多くの人事労務システムは給与計算システムと連携しています。
4〜6月の給与結果をそのまま算定基礎届へ転記・集計できるため、Excelへのコピペ作業による入力ミスは発生しません。

メリット4:API連携による申請プロセスの簡略化
選択するシステムによっては、作成データをe-Govなどへ直接送信(API連携)できる点も見逃せません。
メディア作成や郵送作業、CSV取り込みなどの中間作業が不要になり、データ不備による返戻リスクを最小化できます。申請完了までのプロセスが大幅に簡略化され、手作業と比べ、業務負荷の差を実感しやすくなるでしょう。

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 算定基礎届のシステム化は「2月」開始がベストである理由

いつからシステム導入の検討を開始すべきか。
手続きが始まる6月や7月と考えがちですが、それでは遅すぎます。正解は「2月」です。その理由は「データの連続性」です。
6月給与確定後に導入しても、計算元となる「4〜6月」の給与データが新システムになく、結局手入力やインポートの手間が発生します。
「4月給与計算から新システムで運用」が、7月業務自動化の必須条件です。その準備期間として、2月の始動が不可欠なのです。
以下では、2月からどのように動き出すべきなのかを解説します。

2月「選ぶ月」:現状分析とシステム選定・稟議
2月は課題の洗い出しとシステム選定の期間です。
算定基礎届業務におけるボトルネックやミス発生箇所を明確にし、解決できるシステムを比較検討します。予算確保の社内稟議もこの時期に行います。3月は人事異動対応などで忙しくなることもあるため、2月中の意思決定が理想です。

3月「整える月」:初期設定とデータ移行
システム契約後の3月は初期設定期間です。
従業員マスタ登録、給与規定設定、旧システムからのデータ移行を行い、給与計算できる状態を整えます。この「準備の1か月」の確保が、スムーズな運用を左右します。

4月「試す月」:並行稼働による計算チェック
4月給与から新システム運用を開始しますが、いきなり一本化せず「並行稼働」を推奨します。
既存方法と新システムの両方で計算し、結果が一致するか確認します。4月は変動要素が多いため、設定ミスや認識違いを早期に発見・修正する好機です。

5月・6月「備える月」:新システムへの完全移行
4月のテストで問題なければ、5・6月給与は新システムを正として運用します。必要に応じて既存方法との並行稼働は進めていきましょう。
これにより、特段の作業なく、算定基礎届に必要な「4〜6月の給与実績」がシステム内に正確に蓄積されていきます。

7月「実る月」:算定基礎届の本番処理
上記のスケジュールで進めることにより、7月は準備万端で迎えることができました。
担当者はシステム自動集計結果と例外(年間平均の特例など)を確認するだけになるので、電子申請までをスムーズに完了できます。繁忙期に集中していた業務負荷を抑えることができるでしょう。

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 システム導入で実現する「年間業務DX」の全体像

算定基礎届のためのシステム導入は単発の改善にとどまらず、年間を通じたDXへ発展します。

年末調整:従業員マスタと控除情報の一元管理
整備した従業員情報は、そのまま年末調整に活用できます。
改めて情報を集めたり、別システムへインポートしたりする必要はありません。システムの一機能として年末調整を行うことで、毎年のデータ移行を削減し、年次処理をスムーズに完了できます。

労働保険年度更新:賃金データの“再利用”で一気に完了
算定基礎届用の4〜6月給与に加え、1年間の賃金データが蓄積されます。
これは労働保険年度更新の「前年度賃金総額」集計にそのまま利用できます。「賃金台帳からExcelへ転記・集計」という繁雑な作業から解放され、集計結果の確認と提出だけのフローに変革できます。

入社手続きなどの社会保険手続き:手続き工数の大幅削減
多くの人事労務システムには、入社時の社会保険手続きを処理する機能が備わっています。今回のシステム導入により、これから入社する従業員については、入社時の資格取得届なども同システム内で作成・申請可能になります。
一度の入力で給与計算、社会保険、勤怠管理へ自動連携されるため、入社手続き工数も大幅に削減されます。

経営・監査視点:DXの真の価値は「説明責任」の軽減と「二重管理」の解消
算定基礎届や労働保険申告の際、経理部門や会計監査人から「なぜこの数字になるのか」と根拠を求められ、過去の膨大なExcelファイルを遡って説明に追われた経験はないでしょうか。
勤怠管理と給与計算、そして労務手続きがシームレスに連携するシステムを活用すれば、算定の根拠となる「日次勤怠」まで即座にドリルダウンして確認可能です。
Excelによる二重・三重管理の煩雑さと転記ミスから解放され、「いつでも正しい根拠を提示できる」状態を作る。これこそが、2月のシステム導入が組織にもたらす最大の価値であり、担当者の安心感につながります。

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 まとめ

算定基礎届は複雑な法規制対応と正確性が必須ですが、アナログ管理では限界があります。クラウド型システム導入で、複雑な処理や法改正対応は自動化され、給与から届出までデータが連携します。これにより、ミスを根絶し業務時間を大幅に短縮できます。余力で戦略的な分析や処遇改善に取り組み、人事労務部門を戦略部門へと進化させましょう。未来の組織作りのため、まずは「2月」の今、最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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KING OF TIME 情報

「KING OF TIME」シリーズでは、算定基礎届を提出するための機能が備わっています。これらを活用することで、本記事で紹介したメリットを最大限享受できます。
導入の際には、以下のオンラインヘルプもご参照ください。

【動画】給与計算 / 明細発行の初期設定手順

会社独自の手当を保険料の計算基礎に含める方法

算定基礎届のe-Gov電子申請の方法

算定基礎届の表示 / 出力方法

月額変更届の表示 / 出力方法

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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