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【税務情報】令和7年分確定申告
~もはや本人任せにできない?~複雑化した税制で高まる最終精算の必要性と会社の役割

公開日:2026年1月22日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:税理士法人総合経営サービス
植松 伸

【税務情報】令和7年分確定申告|もはや本人任せにできない?複雑化した税制で高まる最終精算の必要性と会社の役割

今週のピックアップ

【 税務情報 】
◆ 従業員の確定申告は会社も関係が深まってきている?
◆ 令和7年分確定申告の期間と特徴(基礎控除の見直し等)
◆ 確定申告が必要な主なケース(20万円ルールと住民税)
◆ 義務がなくても確定申告した方がよい代表的なケースとは?
◆ 赤字でも申告すべき?後から取り返せないケースに注意
◆ まとめ

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 「KING OF TIME 給与」年末調整機能

従業員の確定申告は会社も関係が深まってきている?

総合経営サービスの植松です。
今回は、確定申告の事前準備のポイントについてお伝えします。

確定申告というと、「対象者だけが関係する手続き」「対象の従業員に任せておけばよい」と、あまり会社に関係がないと思われがちです。
しかし、最近では、副業の普及や扶養控除制度の複雑化により、年末調整だけでは精算しきれないケースも増えています。また会社によっては、保険料控除などが年末調整に間に合わない場合は、確定申告を行うよう案内しているところもあるでしょう。そのため、会社としても手続きのポイントは押さえておきたいところです。

従業員が必要に応じ、正しく申告することは、結果として、会社側の負担軽減にもつながります。本記事では、令和7年分(2025年分)の確定申告について、会社として押さえておきたい実務上のポイントも合わせて整理します。

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令和7年分確定申告の期間と特徴

確定申告期間は、原則2月16日から3月15日までの1か月間です。今年は3月15日が日曜日にあたるため、3月16日(月)までとなっています。期間内に申告を完了する必要があるため、事前の準備が欠かせません。
さて、今年の確定申告の大きな特徴は、「基礎控除の見直し」と「特定親族特別控除の創設」の影響が本格化する点です。

(1)基礎控除の見直し
「基礎控除」の見直しは、ほぼすべての方に影響します。合計所得金額に応じてより細かく段階的に調整される仕組みとなりました。控除額は原則58万円に引き上げられ、所得金額に応じて95万円から58万円(高所得者は48万円から控除なし)の範囲で区分されています。

(2)特定親族特別控除の創設
また、令和7年度税制改正で創設され、今回(令和7年分)から適用される「特定親族特別控除(大学生年代の子などを扶養している方が対象)」も、子の所得金額に応じて控除額が細かく区分されています。そのため、わずかな所得差が控除の適否や控除額に影響しやすくなっています。

(3)年末調整と確定申告の関係
特に年末調整は11~12月の申告時点の「見積額」で行うため、最終的に確定した金額との間に差異が生じ、実際の控除額が変わる可能性があります。
扶養する家族がアルバイトなどをしている場合、特に特定親族特別控除の対象となる方は、その所得額は年末調整と実際との間にズレが生じやすくなります。

差異がある場合、そのままにしておくと、以前のブログでもお伝えしたように、「扶養是正(後から税金を徴収される手続き)」などの対応が必要となる可能性があります。
対応としては、年末調整時の本人の申告の修正となるため、会社側で「再年調」を行うよりも、従業員の皆様に、まずは、年末調整の申告内容と実際の情報の突き合わせをし、必要に応じて、確定申告で正しく精算していただくよう案内する方が、実務上スムーズであり、負担も軽減されます。

今回の変更点は、正直なところ、私たち専門家でも「ソフトの計算頼み」になるほど複雑な仕組みです。「一律にしてほしい…」というのが本音ですが、制度である以上、正しく反映させる必要があります。
ご自身で申告される方は、今年の改正点を確認した上で進めることになりますが、電子申告(e-Tax)を利用すればソフトが自動計算してくれますので、制度を細かく理解するよりも、やはり、正確な所得金額・控除資料を早めにきちんと揃えることが重要と考えます。

■参考(国税庁)
確定申告書等作成コーナー

ご利用ガイド(作成の流れ)

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確定申告が必要な主なケース

確定申告の準備を始めるにあたって、まず、ご自身に確定申告の必要があるかどうかを確認することが重要です。細かい例外はありますが、基本的には以下に当てはまる方は確定申告が必要です。

対象者:申告が必要なケース
・会社員(原則):給与収入が2,000万円超

・会社員(副業がある方):副業の所得(利益)が20万円超 ※給与収入なら額面で20万円超

・年金受給者:年金400万円超、または他の所得が20万円超

(1)会社員で副業をしている方に多い「20万円ルール」の勘違い
会社に勤務し給与をもらっている方(給与所得者)は、原則として、年末調整をしていれば、確定申告の必要はありません。
副業をしている場合でも「副業の所得が20万円以下」であれば所得税の確定申告は不要です。ここで注意したいのが、「収入(売上)」ではなく「所得(利益)」で判断するという点です。

例)所得とは収入から経費を控除した残りの金額
・収入:売上の総額(例:25万円)
・所得:収入から「経費」を引いた残り(例:収入25万円-経費5万円=所得20万円)

このケースでは、所得は20万円ちょうど(20万円以下)ですので、確定申告は不要となります。ただし、副業がアルバイトなどで「給与」形式で支払われている場合は、源泉徴収の関係で「給与収入(額面)が20万円を超えている」場合は、原則として申告が必要となります。

(2)「所得税」は不要でも「住民税」は別?
見落としがちな点は「所得税では確定申告が不要」でも、「住民税の申告だけは必要」になるケースがあるということです。
所得税にある「20万円以下の所得(利益)なら申告不要」という特例は、住民税には適用されません。

■住民税の申告が必要になる主なケース
・会社員:給与以外の所得がある場合

・年金受給者:年金が400万円以下かつ年金以外の所得(20万円以下)がある場合

・共通:所得税の申告義務はないが、医療費控除などを追加して住民税を抑えたい場合

住民税の申告時期や方法は、所得税の確定申告と同じ期間内(今年は2月16日〜3月16日)に、1月1日時点でお住まいの市区町村役場への申告が必要です。

所得税の申告が不要だからといって「何もしなくていい」と思い込んでいると、後から住民税の通知が来て、驚くことになりかねません。
特に副業を認める会社では、こうした手続きについても情報提供しておくと親切だと思います。

※なお、所得税の確定申告をされた方は、そのデータが自動で市区町村役場に連携されるため、別途住民税の申告をする必要はありません。

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義務がなくても確定申告した方がよい代表的なケース

「自分は申告の義務がないから関係ない」と思っている方も多いでしょう。しかし、申告することで税金が戻ってくるケースも一定数あります。対象外であっても申告すべきかを検討することをお勧めします。

(1)代表的なケース
・住宅ローン控除:自宅の新築・購入等して初めて控除を受けるとき ※2年目以降は年末調整で可能

・寄付金控除:1年間にふるさと納税や特定の団体へ寄付をしたとき

・医療費控除:1年間に支払った医療費が、原則10万円を超えたとき

寄付金控除のうち、ふるさと納税でワンストップ特例を申請した方は、確定申告が不要です。しかし、ワンストップ特例は、医療費控除などのために確定申告を行うと無効になります。その場合は、ふるさと納税分も忘れずに申告書に記載しましょう。

その他にも、例えば、副業の報酬や年金からあらかじめ税金が控除されている方は、すべてを集計して確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
特に副業所得が20万円以下の方など「申告義務がない方」は、計算してみて還付になる場合だけ、申告を行うという選択も可能です。まずは一度、シミュレーションしてみることをお勧めします。

また、個人事業主やフリーランスの方は、融資やリース契約の審査で、確定申告書を求められることも多いので、所得が少なくても、今後のビジネスのために申告しておいた方がよいでしょう。

(2)年末調整と確定申告の関係
さらに、年末調整で申告が漏れていたものや申告内容に変更があった場合などは、確定申告で挽回できます。

例)
・各種控除の未申告(漏れ)
生命保険料控除や家族の国民年金保険料を代わりに支払った場合など

・扶養異動の未申告(漏れ)
結婚、別居の両親への仕送り開始(扶養増)、離婚・死別により「ひとり親」になったなどの申告漏れや申告後から年末までの間に変更があった場合

・所得見積額の差異
アルバイト代が確定した大学生のお子様やパート収入が確定した配偶者など、見積額より実際の金額が少なかった場合

冒頭でお伝えしたように、従業員へ年末調整の内容の確認、確定申告実施の案内の際には、これらの点についても確認を促すとよいでしょう。

特に新設された特定親族特別控除については、法改正によって区分がより細分化されたため、所得のわずかな差異が控除の適否や金額に直結するようになっています。わずかなズレが大きな税額の差を生むため、例年以上に注意が必要です。

差異があった場合、還付のみとなるケースでは確定申告は任意ですが、追加で税額が発生する場合には確定申告は必要となります。
そのため、差異があった場合には、確定申告による確認・対応を勧めておくとよいでしょう。

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後から取り返せないケースに注意

個人事業主などで一定の利益がある場合は確定申告が必要ですが、赤字や損失がある場合、義務はありません。
しかし、それだけを理由に「赤字だから申告しなくても問題ない」と判断してしまうと、後々の後悔につながる可能性があります。

なぜなら、個人事業主の方は、青色申告という制度を利用することで、最大65万円の控除や赤字の3年間繰り越しが可能になります。
同様に、個人の方でも、以下の損失について確定申告を行うことで3年間繰り越して、翌年以降の黒字と相殺できる制度があります。つまり制度を活用することで税金を抑えられる可能性があります。

・有価証券(上場株式等)の譲渡損失
・FX(先物取引等)の決済損失
・災害・盗難・横領による損失(雑損控除)

これらの制度は、損失が生じた最初の年に確定申告を行わなければ利用できません。さらに、翌年以降も継続して申告を行わないと、損失の繰越分は消滅するため、安易に「赤字だから不要」と判断しないよう注意が必要です。

もし申告を忘れていた場合は、申告期限内であれば「訂正申告」として追加できますが、期限を過ぎてからの申告では、原則として赤字の繰越は認められません。
ちなみに、「更正の請求(後から計算誤りを直す手続き)」という制度もありますが、これは、本来より多く税金を納めてしまった場合に利用できるものです。
赤字の繰越を任意で選択する制度であるため、申告しなかった場合は「繰り越さない選択をした(適正な申告だった)」とみなされるため、後からこの手続きで取り戻すことはできません。

なお、暗号資産(仮想通貨)についても同様の扱いが検討されています。今後の制度改正の動向に留意が必要です。これらの資産をお持ちの方は、十分にかつ正しく制度を理解した上で、漏れのない申告を心がけましょう。

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まとめ

今年(令和7年分)の確定申告は、基礎控除や特定親族特別控除などの改正により、「年末調整後の精算」の重要性が例年以上に高まっています。

会社としては、年末調整を「最終地」と考えず、見積額と実績に差異が生じやすい点を前提とした対応が求められます。特に大学生のお子様など、扶養家族の所得がわずかにズレるだけで、控除額が大きく変わるケースが増えているからです。

後から税務署より指摘を受ける「扶養是正」などの事務トラブルを未然に防ぐためにも、今の時期に「内容に差異があれば、確定申告で正しく精算してください」と一言添えて案内することが、結果として実務負担を減らす鍵となります。

複雑化する制度だからこそ、従業員の皆様へ適切な確認等を促し、会社と従業員双方が安心できるようにしましょう。

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KING OF TIME 情報

確定申告の負担を減らすためにも、年末調整時点での正確な情報管理が重要です。
KING OF TIME 給与では、紙の証明書はスマホ撮影でアップロードでき、AI-OCRが自動で内容を読み取ります。
電子証明書(XML)にも対応し、スマホとPCでデータが同期されるため、入力・確認の手間を削減します。

【参考】「KING OF TIME 給与」年末調整機能 >>>

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

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監修者紹介

税理士法人総合経営サービス 植松 伸

下町生まれの税理士の植松伸です。
税理士になる前は建設系の労働組合で働いていたので、建設業等の許認可や健康保険事務組合の知識もあり、それらの業務を弊社グループ内へつなぐことも大事にしています。
趣味は観賞魚飼育で、現在自宅に水槽が10個あります。
魚を眺めたり、水の音はとてもリラックスできるのですが、水槽の掃除等のメンテナンスに時間がかかるので、ちょっと増やしすぎたと反省する毎日です。

監修元:税理士法人総合経営サービス

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