監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄

今週のピックアップ
【 労務情報 】
◆ 電子契約のメリット
◆ 電子契約の留意点
【 KING OF TIME 情報 】
◆ KING OF TIME 電子契約
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電子契約のメリット
電子契約への移行は多くのメリットをもたらしますが、従来の紙契約にはなかった留意点について考慮が必要です。そこで今回は、電子契約のメリットとあわせて、注意すべきポイントを取り上げます。
① 業務効率と契約締結スピードの向上
電子契約を導入することで、紙の契約書を印刷・押印したり、社内外で回覧したりする手間を大幅に削減できます。オンライン上で即時に契約締結が可能になるため、郵送や対面でのスケジュール調整も不要となり、意思決定のスピードアップにつながります。結果として、リードタイムが短くなるので、商機を逃さずに済むのも大きなメリットと言えるでしょう。
② コスト削減
ペーパーレス化によって、契約書の印刷用紙代やインク代、郵送費など紙媒体に関わるコストを大幅に削減できます。また、一般的に電子契約書は課税文書とみなされないため、印紙税を支払う必要がない点も大きなメリットです。契約件数が多い企業ほど、電子契約への切り替えによる経費削減効果は大きくなるでしょう。
③ 保管スペース・管理負担の軽減
契約書等の保管期間は、法人税法で7年、会社法では10年が原則とされています。しかし、電子データであれば物理的なファイリングや保管スペースが不要です。さらに、PDFなどのファイル検索機能を活用すれば、過去の契約内容を即座に検索・確認できます。これにより、紙契約にありがちな「どこに収納したかわからない」という手間を解消できる点も大きなメリットと考えられます。
電子契約の留意点
① システム依存のリスク
電子契約はインターネットや専用システムを介して行われるため、通信トラブルやシステム障害が発生すると、契約手続きが一時的に中断するリスクがあります。サーバーダウンや不具合、停電などにより契約締結が遅れる可能性もゼロではありません。
紙の契約書であれば、極端な話、ペンと紙があれば署名できますが、電子契約の場合はITインフラに依存している点を常に意識する必要があります。また、サービス提供事業者がサービスを停止・終了した場合に備え、自社で契約書データのバックアップを確保しておくなど、適切なリスク管理が求められます。
② 電子署名の有効性管理
電子契約書に付与される電子署名(電子証明書)には有効期限があるため、長期保管を前提とする場合には署名の有効性に注意が必要です。一般的な電子署名用証明書の有効期限は2~3年程度とされていますが、契約書は通常7~10年保管されることが多く、有効期限が切れると後日契約の真正性を証明しづらくなる恐れがあります。
対策としては、タイムスタンプを付与する、もしくは有効期限の長い証明書を利用できる長期署名に対応したサービスを導入するといった方法が考えられます。電子契約を導入した後も、署名の更新管理を定期的に行い、その有効性を維持することが大切です。
③ 取引先の同意が必要
自社が電子契約を導入していても、取引先が対応していなければ電子契約で締結することはできません。たとえ、社内体制が整っていたとしても、相手企業が紙の契約書を希望する場合は、最終的に紙ベースで締結せざるを得ないケースもあります。
さらに、企業によっては電子契約に対する抵抗感が残っていることがあるため、相手の理解と合意を得るための説明コストを考慮する必要があります。取引先に電子契約を受け入れてもらうには、メリットや法的リスクの有無を丁寧に説明し、必要に応じて紙と電子を併用する移行期間を設けるなど、柔軟な対応が求められます。
KING OF TIME 情報
「KING OF TIME電子契約」は、紙で行っていた契約業務をクラウドで完結することができるサービスです。
オンライン上ですばやく契約締結が可能で、印紙代や封筒代などのコスト削減に加え、 契約書の郵送や保管の手間を軽減することができます。
既存のインフラを活用しながら効率的に電子契約へ移行していただくことが可能です。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。