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労務情報

~「休み」で選ばれる会社へ~
特別休暇の導入と運用を自動化するシステム活用

公開日:2026年1月15日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
社会保険労務士 岩下 等


~「休み」で選ばれる会社へ~特別休暇の導入と運用を自動化するシステム活用

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ よくある質問とそれに対する回答
◆ 人材不足の時代に勝つ「攻めの休暇戦略」
◆ メリット1:投資対効果(ROI)が高い
◆ メリット2:離職防止とモチベーションアップにつながる
◆ メリット3:相乗効果で「有給休暇」の取得率が向上する
◆ 休暇設計のアイディアと導入ステップ
◆ 不公平感を生まないためのシステム活用術
◆ まとめ

【 KING OF TIME 情報 】
◆ 「KING OF TIME」シリーズで各種休暇を適切に管理するための機能

 よくある質問とそれに対する回答

Q. 賃上げ競争には勝てませんが、優秀な人材を採用・定着させる方法はありますか?

A. 「休みの充実」こそが、コストを抑えて他社と差別化する強力な武器になります。ユニークな休暇制度も有効ですが、慶弔休暇やリフレッシュ休暇といった「当たり前」の制度でも、未導入の企業は約4割に上ります。これらを整備するだけでも、市場での十分な差別化につながります。会社が従業員を守る姿勢を示すことは、採用ブランディングにおいても極めて有効です。

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 人材不足の時代に勝つ「攻めの休暇戦略」

優秀な人材を採用したい、今いる従業員に長く働いてほしい。そう願う人事担当者にとって、「休みの充実」は避けて通れないテーマです。
昨今の動向を見ると、世代を問わず「ワークライフバランス」を重視する傾向は顕著です。ヒューマンホールディングス株式会社「Z世代の働き方に関する意識調査」(2024年3月公表)では、「職場に導入してほしいと思う働き方に関する制度」の設問に対して「週休3日制」と答えた割合が35.1%で1位になるなど、「休みが多い会社」であることは、働きやすさを構成する「重要な要素」と言えます。

しかし、いざ制度を整えようとすると、人事担当者は板挟みの現実に直面します。
現場や求職者からは「もっと休みが欲しい」という声が上がる一方で、経営層からは「売上への影響は大丈夫か」「人件費や残業代が高騰するのではないか」といった厳しい目が向けられます。
さらに、新しい休暇制度を導入すれば、申請のチェックや残日数管理といった人事担当者自身の業務負荷が増大するという「管理の壁」も立ちはだかります。

そこで提案したいのが、法定外の「休日」ではなく「特別休暇」を活用し、経営層のコスト懸念を払拭しながら「働きやすさ」を強化する戦略的なアプローチです。あわせて、人事担当者の敵である「管理の手間」や「運用の形骸化」をシステム活用によって防ぐ、実践的な運用術についても紐解いていきます。

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 メリット1:投資対効果(ROI)が高い

制度導入にあたり最大のハードルとなるのが、経営層の説得でしょう。

経営者が懸念するのは、休みを増やすことによる「人件費の増加」です。しかし、増やすものが「休日」か「休暇」かによって、そのインパクトは大きく異なります。

・休日:労働義務が最初からない日です。休日を増やすと残業単価が上がり、結果として人件費(割増賃金)が増加してしまうリスクがあります。

・休暇:労働義務がある日を免除する扱いです。こちらは残業単価の計算に影響しないため、コストを抑えたまま従業員に「休み」を提供することが可能になります。

「休日」か「休暇」かによる残業単価の違いについては、以下の記事もご参照ください。

【休暇】をきちんと理解して、【特別休暇】で福利厚生を充実させよう >>>

特別休暇を有給扱いとした場合、経営者からは「働いていないのに給与を払うのはキャッシュアウト(現金の流出)ではないか」という指摘が入ることがあります。
これに対しては、月給制の仕組みを前提に説明します。月給制において有給の特別休暇を取得したとしても、それは「賃金が控除されない(欠勤扱いにならない)」だけであり、残業代のように月給以上の追加支払いが発生するわけではありません。つまり、会社の持ち出しが増えるわけではないのです。

仮に労働対価の損失と捉えられたとしても、比較すべきは「採用・離職コスト」です。
現在、人材エージェント経由で1人を採用するには数十万円の紹介手数料がかかります。もしも早期離職が起きれば、採用コストだけでなく教育コストや生産性低下による損失も加味しなくてはなりません。

一方で、特別休暇によって発生する「控除されなかった賃金分」のコストは、上記の採用コストに比べれば微々たるものです。既存社員への少額の投資によって、数十万円規模の採用・離職コストを回避できるのであれば、経営判断として十分に割安で、高い投資対効果(ROI)が見込めると言えます。

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 メリット2:離職防止とモチベーションアップにつながる

人事の重要なミッションである「リテンション(人材の定着)」においても、特別休暇は大きな役割を果たします。
特別休暇制度は、単なる「休み」以上の意味を持ちます。「従業員の生活やリフレッシュを大切にする」という会社からのメッセージであり、その姿勢を示すことがエンゲージメントの向上につながります。
また、子育て、家族の介護など、人生には様々な転機が訪れます。こうした局面で、有給休暇だけでは日数が足りず、結果として退職を選ばざるを得ないケースは少なくありません。
「いざというときに、辞めずに休める選択肢がある」こと、そして「会社に守ってもらえる」という心理的安全性は、従業員の長期的な定着を促す強力な要素となります。

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 メリット3:相乗効果で「有給休暇」の取得率が向上する

「特別休暇を導入すると、年次有給休暇の取得率が下がる」と誤解されがちです。
しかし、必ずしもそうとは言い切れません。そればかりか年次有給休暇の取得促進にもつながる可能性が大いにあります。
多くの従業員が有給休暇を消化しきれない最大の理由は、「病気や急な用事のために取っておきたい」という心理的防衛本能にあります。
実際に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査」(調査時点:令和6年4月1日)で「年次有給休暇を取り残す理由(年次有給休暇を80%以上取得する意向がなかった理由)」として、「急な用事のために残しておく必要があるから(45.6%)」「病気やけがに備えて残しておきたいから(43.3%)」が上位を占めています。

これを解消するのが特別休暇による「2つの財布」効果です。
例えば「病気休暇」のような特別休暇によって「別の財布」を用意することで、従業員は「万が一のときはそちらを使えばいい」という安心感を得られます。その結果、本来の年次有給休暇を、旅行や趣味といった「純粋なリフレッシュ」のために躊躇なく使えるようになるのです。
その結果として有給取得率が向上し、法定義務である「年5日の確実な取得」もクリアしやすくなると考えられるため、人事としてのコンプライアンス遵守にも寄与します。

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 休暇設計のアイディアと導入ステップ

では、具体的にどのような休暇制度を設計すべきでしょうか。ここからはステップごとに解説していきます。

Step 1:取得事由を検討する
まず検討すべきは「どのような事由で取得できる休暇にするか」という点です。
「法定休暇拡充型」「ベーシック型」「ユニーク型」という3つのパターンに分けて考えることができます(各名称は独自に分類したもので、法律上の区分ではありません)。

法定休暇拡充型(最も導入ハードルが低い)
法定の休暇をベースに「有給化」や「日数の上乗せ」を行う方法です。ゼロから制度設計をする必要がないため、比較的容易に導入できます。

・ウェルカム休暇
法定の有給休暇が付与されるまでの「入社後6カ月間」をカバーする休暇です。実務上のメリットもあり、入社直後に体調不良などで休んだ際に発生する、面倒な「欠勤控除(日割り計算)」の手間をゼロにできます。採用面でも「試用期間中でも有給で休める」という安心感は強力なアピール材料になります。
有給休暇の前倒し付与という方法もありますが、入社後6カ月間だけ使える特別休暇を与えることで、法定の年次有給休暇は法律どおりの運用で済むため、有給休暇管理をシンプルにすることもできます。
・子の看護等休暇・介護休暇の拡充
法律上は「無給」でも構わないことになっていますが、これを「有給」にすることで、子育て・介護世代の離職防止効果が高まります。また、法定日数を上回る日数を付与することも差別化につながります。

ベーシック型(差別化の第一歩)
夏季休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇、ボランティア休暇などが該当します。
厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、これらの特別休暇制度が「ない」企業は約4割に上ります。つまり、これら「当たり前」と思われる休暇を導入するだけでも、市場の約4割の企業と差別化できるのです。

ユニーク型(カルチャーの体現・時代の変化への対応)
会社の独自性を打ち出し、採用広報の強みとしても活用できる休暇です。
昨今重要視される「人的資本経営」の観点から、リスキリング(学び直し)や不妊治療など、現代ならではの社会課題や多様なライフプランに対応する制度もここに分類されます。従業員の成長や生活を支援するユニークな休暇制度は、企業の先進性や「人を大切にする姿勢」を強くアピールすることにつながります。

具体的な休暇制度のアイディアを探す際は、厚生労働省の事例集が参考になります。以下で挙げるような、各社が工夫を凝らした事例が掲載されています。

・鳥取県「ふるさと応援休暇」
職員が県内で地域活動・ボランティア活動を行う際に取得可能な休暇です。
・オルガノン株式会社「ディスカバリー休暇」
社外での活動によりスキル向上を図る際に取得できる休暇です(無給)。
・株式会社アイジーコンサルティング「家族の○○記念日休暇」
大切な人の誕生日や記念日に取得できる休暇です。
・SMBC日興証券株式会社「マイケア休暇」
生理、PMS、更年期症状、不妊治療のために取得できる休暇です(更年期や不妊治療については性別を問わず利用可)。
・日本光電工業株式会社「骨髄ドナー休暇」
骨髄や末梢血幹細胞の提供に伴う通院・入院のために取得できる休暇です。

特別休暇制度導入 事例集2024|厚生労働省

なお、特別休暇を導入する際は「公平性」への配慮が不可欠です。「既婚者だけ」「男性/女性だけ」といった偏りが出ないよう、全従業員が使える休暇とバランスよく組み合わせることが重要です。特に、同一労働同一賃金の観点から、正社員とパート社員の間で不合理な格差が生じないよう注意が必要です。

Step 2:詳細条件を決める
取得事由の方向性が見えてきたら、以下のような観点から具体的な条件を詰めていきます。

・対象者:試用期間中の従業員も使えるようにするか、勤続年数などで条件を設けるのか
・付与日数:何日分付与するのか、1カ月に◯日といった期間ごとの取得制限を設けるか
・有効期限:付与から1年以内、事由発生から1カ月以内といった有効期限を設けるか
・休暇中の休日の取扱い:連続取得の際、期間中に土日などの休日がある場合、特別休暇の日数をどう扱うか(例:土日に葬儀がある場合、その分取得できる忌引休暇の日数が減るか否か)
・休暇中の賃金:有給とするか無給とするか
・付与タイミング:申請があった都度付与するのか、全従業員に一斉に付与するのか
・取得単位:時間単位での取得が可能か否か、「連続取得」が前提であるリフレッシュ休暇などに対して分割取得を認めるか
・申請手続き:申請方法はどうするのか、事後申請を認めるのか否か
・証明書の有無:申請にあたり、事由発生を証明する書類(診断書など)の提出を義務付けるか

Step 3:就業規則を改訂・周知する
特別休暇は、「絶対的必要記載事項」として就業規則への記載が必須です。休暇ルールの就業規則への反映、労働基準監督署への届出、従業員への周知といった法的なプロセスを確実に踏む必要があります。
合わせて、労働条件通知書や雇用契約書のテンプレートも改訂することを忘れないようにしましょう。

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 不公平感を生まないためのシステム活用術

素晴らしい制度を作っても、その運用がアナログ(紙やExcel)であれば制度はすぐに形骸化します。
最も懸念すべき点は、管理の曖昧さが生むリスクです。Excel管理では履歴が正確に追えず、「あの人は期限切れでも休めたのに」といった不公平感や、なし崩し的な不正取得の温床になりかねません。
複雑な付与条件や有効期限を人力で管理するのは不可能に近く、システム活用が前提条件となります。

活用術1:雇用契約書の再締結 × 電子契約システム
制度変更に伴い、従業員に「自分たちのルールである」と理解してもらえるような周知の工夫が重要です。ひとつのアイディアとして、新設された特別休暇が記載された雇用契約書を再度取り交わすという方法もあります。
ただ、全員と雇用契約書を締結するのは膨大な手間です。そのような場合、電子契約システムを活用すれば、一斉送信とWEB署名で手続きが完結します。

活用術2:申請フローの厳格化・簡素化 × 勤怠管理システム
独自の休暇制度を導入すると、「自分には何日休みが残っているのか」を従業員も管理職も把握できなくなることもあります。
勤怠管理システムを活用すれば、従業員がパソコンやスマホから「現在使える休暇」を確認することが可能です。期限切れの休暇は自動消滅するため、管理職が情に流されて不正に承認してしまうリスクも物理的に防げます。
また、申請時の証明書提出をシステム上で受け付けることで、ペーパーレスかつ厳格な運用が可能になります。

活用術3:導入後のモニタリング × データ分析システム
「制度を入れたけれど使われていない」という形骸化もよくある課題です。
部署ごとの取得状況をシステムで可視化できれば、利用が進んでいない部署へ的確にアプローチできます。データに基づいた客観的な根拠があれば、管理職への指導もしやすくなり、PDCAサイクルを回すことができます。

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 まとめ

特別休暇は、採用力強化や人材定着を低コストで実現する、投資対効果(ROI)の高い経営戦略です。しかし、その運用をアナログ管理に頼ると、不公平感や形骸化を招くリスクがあります。成功の鍵は、戦略的な制度設計と、システム活用による厳格かつ効率的な運用の両立にあります。テクノロジーで事務工数を最小化し、会社の魅力を最大化する「攻めの人事」を実現しましょう。

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KING OF TIME 情報

「KING OF TIME」シリーズでは、特別休暇を適切に管理するための機能が充実しています。これらを活用することにより、本記事で紹介した特別休暇のメリットを最大限享受することができます。
制度導入の際には、以下のリンクもご参照ください。

▼勤怠管理

「休暇区分設定」の設定方法 >>>

各種休暇の手動付与方法 >>>

特定の休暇を、一部の従業員のタイムカードだけに表示させる方法 >>>

夏季休暇など、特定の期間内だけで取得できる休暇の作成方法 >>>

▼電子契約

雇用契約書の取り交わし方法 >>>

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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