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【法改正情報】2025年10月施行|育児・介護休業法改正のポイント

公開日:2025年8月21日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄


【法改正情報】2025年10月施行育児・介護休業法のポイント

今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ 2025年10月施行の主な改正ポイント
◆ 柔軟な働き方を実現するための措置とは?
◆ 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮義務とは?
◆ 企業が今から取り組むべき実務対応

【 KING OF TIME 情報 】
◆ KING OF TIME 勤怠管理|スケジュール・シフト管理機能


 2025年10月施行の主な改正ポイント

2024年5月に、育児・介護休業法および次世代育成支援対策推進法の改正法が成立しました。施行は2025年4月、10月の2段階となっており、既に2025年4月1日からは、子の看護等休暇の取得事由・対象となる子の範囲の拡大や介護休暇の取得対象者要件の緩和などがスタートしています。

《 参考 》【ポイントを確認】2025年|育児・介護休業法改正の実務対応(過去ブログ)

今回のブログでは、2025年10月1日に施行される重要な改正点に焦点を当て、企業が今から準備すべき実務対応について詳しく解説します。
2025年10月1日からは、主に以下の2つの改正が企業に義務付けられます。

1.柔軟な働き方を実現するための措置等の義務付け
2.仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務付け


これらの改正は、労働者が子の養育と仕事の両立を図りやすくするための重要な変更です。とくに、小学校就学前の子を持つ従業員の働き方に大きな影響を与えるため、企業は内容を正確に理解し、適切に対応する必要があります。

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 柔軟な働き方を実現するための措置とは?

この改正は、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員を対象としています。企業は、柔軟な働き方を実現するための措置として、以下の5つの中から2つ以上の措置を選択して講ずる必要があります。そのうえで対象となる従業員が希望した場合は、講じた措置の中からいずれか1つを実施することが義務付けられます。

① 始業時刻等の変更
② テレワーク等(10日以上/月)
③ 保育施設の設置運営等
④ 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)
⑤ 短時間勤務制度
※② ④は、原則、時間単位で取得ができるようにすることが必要。

このなかでも「始業時刻等の変更」に含まれる、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ(時差出勤)、テレワークといった措置は、日々の働き方の柔軟性を高める手段として有効です。なお、テレワーク等の措置は時間単位で利用できる必要があり、その場合の利用可能時間は1日の所定労働時間数です。さらに、1月あたり10労働日以上(週5日勤務の場合)利用できるような日数基準も設けられています。企業は、自社の実態に合わせて、これらの措置の中から最も適切なものを選択し、就業規則等に規定する必要があります。

また、会社が講じる措置について、個別の周知・意向確認も必要となります。
会社は、3歳未満の子を養育する従業員に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、柔軟な働き方を実現するための措置として設けた制度に関し、その内容や利用を希望する際の申出先、残業や深夜勤務の免除や制限等について周知し、制度利用の意向確認を個別に行わなければなりません。
当然ですが、会社が従業員に制度利用を控えさせる働きかけは認められていません。

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 仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮義務とは?

2025年10月1日からは、以下のタイミングで企業は従業員に対して、仕事と育児の両立に関する個別の意向を聴取し、その意向を踏まえて配慮することが義務付けられます。

(1)妊娠・出産等の申出時
(2)子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間


これまでも育児休業の取得に関する個別周知・意向確認は義務付けられていましたが、改正により、育児休業だけでなく、子の養育のための柔軟な働き方措置など、仕事と育児の両立全般に関する以下の事項について、意向聴取と聴取した意向を踏まえた「配慮」が企業に求められるようになります。

① 勤務時間帯(始業および終業の時刻)
② 勤務地(就業の場所)
③ 両立支援制度等の利用期間
④ 仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)

これは、単に制度を周知するだけでなく、従業員一人ひとりの状況や希望を丁寧に把握し、それに応じた働き方を実現できるように寄り添うことが重要であることを意味しています。
意向聴取の方法としては、面談や書面、電子メールなど様々な方法が考えられます。重要なのは、従業員が安心して自身の状況や希望を伝えられる機会を設け、会社としてどのように両立をサポートできるかを示すことです。

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 企業が今から取り組むべき実務対応

2025年10月の改正に向けて、企業は以下の実務対応を行う必要があります。

① 就業規則(育児・介護休業等規程)の見直し
「柔軟な働き方を実現するための措置」に関する規定の新設または改定が必須です。対象者、措置の内容(例:時差出勤のパターン、テレワークの頻度や場所など)、利用に関する手続き方法などを具体的に定めます。
「仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮」に関する規定の新設も検討しましょう。意向聴取のタイミングや方法、配慮の内容などを明記することで、従業員への周知にもつながります。

② 対象従業員への個別周知・意向確認の準備
意向聴取が必要となるタイミングを把握し、対象となる従業員へ漏れなく周知・意向確認を実施できる体制を整える必要があります。また、聴取内容を記録しておくことも重要です。

③ 労使協定の見直し(必要に応じて)
10月施行の改正内容ではありませんが、子の看護等休暇や介護休暇に関して、これまで勤続6か月未満の従業員を労使協定で対象外としている場合は、2025年4月1日以降は対象外とできなくなっています。
まだ対応ができていない企業は、育児・介護休業等に関する規定や労使協定全体をこの機会に見直すことをおすすめいたします。育児休業や産後パパ育休についても、労使協定により対象外とできる労働者の範囲が定められていますので、自社の労使協定を確認しましょう。
また、従業員が育児・介護関連制度を円滑に利用できるよう、雇用環境の整備に継続的に取り組む必要があります。具体的には、研修の実施、相談窓口の設置、社内事例の提供、利用促進に関する方針の周知などが考えられます。

2025年10月施行の改正は、とくに3歳から小学校就学前の子を持つ従業員に対する柔軟な働き方の選択肢を広げ、企業に個別支援の義務を課すものです。これらの改正に対応するためには、就業規則の見直しや社内体制の整備が不可欠です。
改正法の目的は、育児や介護を理由とした離職を防ぎ、従業員が安心して働き続けられる環境を整備することにあります。企業にとっては、優秀な人材の確保・定着や生産性の向上にも繋がる重要な取り組みと言えるでしょう。
計画的に準備を進め、法改正への対応を機に、より働きやすい職場環境の実現を目指しましょう。

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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

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