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【税務情報】賞与・臨時手当・一時金の税務ポイント

公開日:2025年6月12日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:税理士法人総合経営サービス
植松 伸

【税務情報】賞与・臨時手当・一時金の税務ポイント


今週のピックアップ

【 労務情報 】
◆ 賞与・臨時手当・一時金は課税か非課税か?
◆ 非課税とされるもの
◆ まとめ

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 賞与・臨時手当・一時金は課税か非課税か?

総合経営サービスの植松です。
今回は賞与や臨時手当等の税務的な取扱いについてです。

賞与・臨時手当・一時金は課税か非課税か?
結論から申し上げますと、賞与・臨時手当・一時金という名目に関わらず、「金銭」で支給するものについては、原則として給与課税となります。
ここでいう「金銭」とは、紙幣、硬貨が代表ですが、近年は電子マネーなどもあります。
2023年4月からは、条件付きですが給与も電子マネーでの支払いが可能となっています。

仮想通貨での給与支払いはまだ認められていませんが、いずれ認められるかもしれません。ただ価格の変動リスクや現行の税制では、仮想通貨の使用の都度、給与支給時の価額よりも仮想通貨の価値が上がっていたら税金がかかり、制度理解や手続きが煩雑となるなど、実現のハードルが高いと考えられます。

商品券やギフトカード等で渡せば大丈夫かといえば、そうではありません。
商品券等は基本的に「金銭同等物」といって、実質的に金銭と変わらないので、結局給与課税されることになります。
この「金銭同等物」は、新しい決済手段ができればどんどん含まれていくと思います。
結局のところ、企業が従業員に何か価値があるものを渡す場合には、税金がかかるというのが、大原則ということです。

しかし、例外的に所得税が課税されない手当等もありますので、次はその説明をしたいと思います。

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 非課税とされるもの

例外的に非課税とされるものの代表は、通勤交通費です。上限は、1か月15万円ですが、一般的には十分な金額だと思います。
こちらが非課税なのは、実費なので従業員の手元に1円も残らないからです。課税されると納税の原資がありませんので、妥当だと思います。個人的な見解ですが、むしろなぜここに社会保険料がかかっているのかよくわかりません。国会でも問題になったので、変わってくれることを期待しています。
通勤交通費は、通勤手当という名前で支給されていても実際の通勤費を超えない等の条件を満たしている限り税金はかかりません。

その他には、祝い金、香典等の慶弔費、出張した際の出張手当や日当、日直・宿直等の手当についても、原則として税金はかかりません。
こちらも無制限に非課税になるのではなく、各企業が定めている慶弔規定や出張規定等があり、その規定の金額が一般的に妥当なものであれば、非課税となります。
そのため、1泊の出張で10万円の出張手当などの一般的ではない金額の場合には、課税されることになります。

■ 日当等
こちらが非課税なのは、業務のため自宅を離れることにより、宿泊費や食事、生活用品などの出費が余計にかかるためです。 飲食代は顧客との会食、接待であれば別途精算で問題ないのですが、宿泊費等は日当等の金額によっては実費精算すると二重計上として税務調査で問題になるケースがあるので、社内での運用ルールをしっかり決めておきましょう。

■ テレワークに対する電気代、通信費、設備使用料
コロナ以降では、テレワークに対する電気代、通信費、設備使用料として在宅勤務手当を支給する会社も増えました。これも実費精算分は非課税ですが、毎月一定の金額を支給する場合には課税となります。
国税庁ではQ&Aを作成し、電話代については、通話記録から業務に関するものを抜き出すよう指示していますが、これは必ずしも現実的とは言えないかもしれません。営業等で電話を頻繁に使う場合には日数按分も認められるケースがあるので、国税庁としては、正確に出せるものは出してくださいということのようです。

■ 業務に関する研修等の費用
これらも実費の範囲内で非課税です。
福利厚生費に該当するものも非課税になりますが、内容が何であれ、従業員全員が対象となっている必要があります。役員のみとか特定の従業員のみ支給するものは課税対象となります。

■ 食事補助
こちらについては結構細かく決まっています。
消費税抜きで1食300円以下または月額3,500円以下であれば非課税で、それ以外の規定としては食事支給額の半分以上を自己負担している場合には、その食事手当は非課税です。
ただ、この金額は20年以上前から同じだと思いますので、せめて物価スライドしてほしいものです。

■ 記念品や報奨金
創業記念などで支給する記念品については、価格が消費税抜きで1万円以下、一定期間ごとに行う行事で支給する場合は5年以上の間隔をあける必要があります。

■ 永年勤続者に対する記念品や旅行費用
永年勤続者への記念品や旅行などの費用は、勤続10年以上の従業員を対象とし、金額に明確な上限はないものの社会通念上妥当な範囲に収める必要があります。また、同じ従業員を再度表彰する場合は、少なくとも5年以上の間隔をあける必要があります。
「旅行券」の支給は、原則、給与等として課税されます。ただし、旅行券の支給後1年以内に旅行すること、1年以内に旅行券の全部または一部を使用しなかった場合は返還すること、支給を受けた従業員は所定事項を会社に報告することなどの要件を満たすと課税しなくても差し支えないとされています。

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 まとめ

最後に、給与課税についての考え方(大枠)を整理しておきます。

基本的には、名目が何であれ、受け取る側の利益があれば課税するということになります。ただし、お祝い金等の社会通念上、課税するものではないものは非課税です。また、実費弁償的なものや、業務遂行上やむを得ず発生する費用を補填するものは、その性質から非課税とされることが多いです。福利厚生的な性質を持つものについては、従業員全員が公平・平等に扱われていることが非課税の重要な条件となる場合があります。福利厚生規程や旅費規程などが定められていて、誰でも知り得る状態にあるということも大切です。

ちなみに税務署の調査で、勤続30年の従業員に10万円分の旅行券を贈答した際に、その従業員は本当に旅行に行ったのか?と聞かれたことがあります。結果的には対象の従業員の方は実際に旅行に行っていたので問題ありませんでしたが、そこまで確認するのかと思いました。
ただ、調査官の立場からは、旅行券を換金してはいないか?旅行券を従業員に贈ったことにして社長が使っていないか?と確認をしておく必要もあり、これに対しては、こちら側も制度をよく理解したうえで、しっかりと社内規定等をまとめ、それに沿って運用しておくことで、何を聞かれても大丈夫なようにしておきましょう。

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KING OF TIME 情報


KING OF TIME 給与は、賞与計算・通勤費計算に対応しています。
賞与計算時に、支給対象者の追加と削除、雇用保険料徴収の可否選択が可能です。
また、通勤費計算も給与計算時に通勤手当の非課税/課税額の自動判定が行われ、給与計算結果に反映することができます。

【参考】KING OF TIME 給与 >>>

監修者紹介

税理士法人総合経営サービス 植松 伸

下町生まれの税理士の植松伸です。
税理士になる前は建設系の労働組合で働いていたので、建設業等の許認可や健康保険事務組合の知識もあり、それらの業務を弊社グループ内へつなぐことも大事にしています。
趣味は観賞魚飼育で、現在自宅に水槽が10個あります。
魚を眺めたり、水の音はとてもリラックスできるのですが、水槽の掃除等のメンテナンスに時間がかかるので、ちょっと増やしすぎたと反省する毎日です。

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

監修元:税理士法人総合経営サービス

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