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労務情報

【社会保険情報】令和6年度の社会保険の算定基礎届

公開日:2024年6月6日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


【社会保険情報】令和6年度の社会保険の算定基礎届

今週のピックアップ

◆ 令和6年度の社会保険の「算定基礎届」
◆ 手続きの流れを確認
◆ 知っておきたい「算定基礎届」のQ&A

令和6年度の社会保険の「算定基礎届」

社会保険料は支給される賃金に応じてその金額が決定されていますが、所得税のように毎月は変動せず、原則として年に1度その金額を見直す作業を行っています。
7月1日に在籍している社員について、4~6月に支払った賃金を、会社から日本年金機構へ届け出て、その内容に基づき毎年1回標準報酬月額が決定します。その作業を社会保険の「算定基礎届」(定時決定)といいます。

この算定基礎届の届出用紙は毎年6月中旬以降に日本年金機構から事業所宛に送付されてきます。この用紙には、5月の中旬までに届出された社員の氏名、生年月日、従前の標準報酬月額が印字されていますので、内容を確認のうえ必要事項を記載し提出します。

今年度は、令和6年10月からの短時間労働者の適用拡大が予定されており、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者の社会保険加入が義務化されます。
算定基礎届の業務とは直接関係するものではありませんが、算定基礎届の手続きの過程で、該当する企業においては現在社会保険に加入していない短時間労働者の雇用状況を把握する良い機会となるでしょう。
社会保険の適用拡大で新たに加入対象者となる方の要件は以下のとおりですので、加入の届出漏れが発生しないよう再確認をしておきましょう。

【対象者】
☑ 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満(週所定労働時間が40時間の場合)
・契約上の所定労働時間であり、臨時に生じた残業時間は含みません。
・契約上20時間に満たない場合でも、実労働時間が2か月連続で週20時間以上となり、なお引き続くと見込まれる場合には、3か月目から加入対象となります。

☑ 所定内賃金が月額8.8万円以上
基本給及び諸手当を指します。ただし残業代・賞与・臨時的な賃金等は含みません。
<含まれない手当等>
・1月を超える期間ごとに支払われる賃金 (賞与等)
・時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
・最低賃金に算入しないことが定められた賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)

☑ 2か月を超える雇用の見込みがある
・最初の雇用契約の期間が2か月を超えている場合の他、期間が2か月以内でも「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されている場合などはこれに該当します。
なお、当初2か月を超える見込みがなくても、契約の更新などにより超えることが見込まれることになった場合は、労使双方の合意があった日から資格を取得します。

☑ 学生ではない
ただし、次に該当する方は被保険者となります。
・卒業見込証明書を有する方で、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の方
・休学中の方
・大学の夜間学部および高等学校の夜間等の定時制の課程の方など

なお、今回対象となる事業所(従業員数51人~100人の企業)には、日本年金機構から9月上旬までに、新たに適用拡大の対象となることを知らせる通知書類が届きます。 届書を準備し、令和6年10月7日までに厚生年金保険の「被保険者資格取得届」をオンラインで届出が必要とされています。

☞『社会保険適用拡大特設サイト』(厚生労働省)

 >>> 詳しくはこちら

手続きの流れを確認

【概要】
事業主が7月1日現在で使用している全被保険者(社会保険に加入している従業員)の3か月間(4月、5月、6月)の報酬月額を算定基礎届により届出することで、毎年1回標準報酬月額が見直されます。見直しされた標準報酬月額は、その年の9月から適用されます(10月の社会保険料徴収から適用。つまり10月に支払う給与から控除する保険料から改定)。

【提出物】
・被保険者報酬月額算定基礎届(70歳以上被用者算定基礎届)
・ [令和6年7月改定者の場合] 被保険者報酬月額変更届(70歳以上被用者月額変更届)
※電子申請による届出を行う場合は、日本年金機構のHPをご確認ください。
>>> 詳しくはこちら

【提出期間】
提出期間:7月1日から7月10日までの間に提出
※期限を過ぎても提出は可能とされていますが、できる限り期限内に提出するようにしましょう。

【提出先】
事務センターまたは管轄の年金事務所

【提出が不要となる人】
原則として7月1日現在の全被保険者(社会保険に加入している従業員)が対象ですが、以下の①~④のいずれかに該当する人は算定基礎届の提出が不要とされています。

① 6月1日以降に資格取得した人
② 6月30日以前に退職した人
③ 7月改定の月額変更届を提出する人
④ 8月または9月に随時改定が予定されている旨の申出を行った人

【報酬として届出が必要なもの】
社会保険の報酬に該当するかどうか、過去の労務ブログで取り上げていますのでご参考にしてください。

☞【給与計算の知恵袋】報酬に含む手当、含まない手当

 >>> 詳しくはこちら

知っておきたい「算定基礎届」のQ&A

日本年金機構のQ&A等で取り上げられている、算定基礎届の手続きにおいて判断に迷いそうな事例をご紹介いたします。

Q.算定基礎届を先に届出していた場合に、結果的に8、9月の随時改定に該当した時には、どちらの標準報酬月額が優先されるか。

A.随時改定に該当する場合は、随時改定により決定された標準報酬月額が優先されるため、算定基礎届の提出後であっても、8、9月の随時改定に該当した場合は、月額変更届を提出することになります。

Q.算定基礎届の届出省略の申出を行った社員について、8、9月の随時改定の要件に該当しないことが判明した場合、どのような手続きを行えばよいか

A.判明した時点で速やかに算定基礎届を提出することになります。

Q.病気療養中のため給与の支払いがない社員についても、算定基礎届の提出が必要か。

A.病気療養中等により、算定基礎届の対象となる 4~6月の各月とも報酬の支払いがない場合も、算定基礎届の提出は必要です。この場合、備考欄にその旨を記載して届出し保険者において、従前の標準報酬月額により決定することとなります。
育児休業中の社員についても同様の対応を行います。

Q.休職からの復帰プログラムを設けており、一定期間30%減の報酬で軽微な業務に従事し、その後通常の業務と報酬に戻ることになっているケースで、算定対象期間に復帰プログラム期間が含まれる場合に、該当する月を含めるべきか。

A.復帰プログラムとして通常とは異なる軽微な業務への変更があり、その業務に対して就業規則によりあらかじめ定められた報酬が支給されていれば、固定的賃金の変動後の通常の報酬が支給されているため、定時決定においてこの月を除外せず、該当月も含めて算定を行うこととされています。
また、随時改定については、業務の変更により報酬の変動があった月を起算月として2等級以上の差が生じるようであれば月額変更届を提出することになります。



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

 
 
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