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就業規則の見直しは必須!2022年に育児介護休業法が改正 ~企業の労務担当者が押さえておくべき内容とは?~

公開日:2021年11月4日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


就業規則の見直しは必須!2022年に育児介護休業法が改正
~企業の労務担当者が押さえておくべき内容とは?~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆育児介護休業法改正、いつから何を対応すべき?
◆就業規則への見直しが必須!事業主の義務とは?
◆労使協定の見直しも必要!
◆産後パパ育休ってなに?
◆産後パパ育休の特徴とは??
◆事業主が事前に確認しておくべきことは?
◆男性に育児休業を取らせる社風がない。どうしたら?


【KING OF TIME 情報】
◆補助項目設定とは
◆補助項目の活用法(選択肢)
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


育児介護休業法改正、いつから何を対応すべき?

厚生労働省の調査によると、2020年の民間企業に務める男性の育児休業取得率は、過去最高の12.7%でした。しかし、依然として男性の育休取得率は低水準であり、政府目標では2025年には、男性の育児休業取得率を30%まで引き上げることとされています。

なお、公益財団法人日本生産本部の調査結果(2017年度新入社員秋の意識調査)では、男性の79.5%が「子供が生まれたときには育休を取得したい」と回答しており、このような意識の変化は今後も益々と進んでいくものと思われます。 こういった時代背景からも、男性の育児休業休暇の促進は企業として重要な課題であり、有用な若い世代を定着させるために、育児休業を取得させるための土壌を作っておくことが肝要です。

今回改正された育児休業制度は以下の通り、段階的に施行されることになっています。

(1)2022年4月1日施行
・事業主の義務(雇用環境整備など)
・有期雇用労働者の取得要件の緩和

(2)2022年10月1日施行
・産後パパ育休制度の創設
・育児休業の分割取得

(3)2023年4月1日施行
年1回育児休業取得状況の公表の義務化(従業員数1,000人超の企業が対象)

今回のブログでは、法改正の内容をご紹介するとともに、具体的にどういった手順で進めていけば良いのかご紹介していきます。


就業規則への見直しが必須!事業主の義務とは?

令和4年4月1日から、事業主は、男性労働者が育児休業を取得しやすいような環境を整備するため、以下①から④のいずれかの措置を講じる必要があります。義務を履行しない場合、指導勧告の対象となり、是正に応じない場合は、企業名が公表される可能性もあります。

今後、省令や指針などで示される具体的な内容を確認し、自社でどのような取組方法を実施していくのか、就業規則(育児・介護休業規程)を見直し、従業員に周知しておくべきでしょう。

(1)育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
事業主は、以下のいずれかの措置を講じなければなりません。複数の措置を講じることが望ましいとされています。
①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備など(相談窓口設置)
③自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
また、妊娠や出産の申し出があった労働者に対しては、育児休業に関する制度や給付金、社会保険料の負担など、育児休業の制度について等、以下①から④全てを個別に周知し、また、育児休業を取得するかどうかの意向確認の措置を取ることが義務化されます。法違反とならないように、制度の内容を理解しておきましょう。

2)妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する
個別の周知・意向確認の措置

・周知事項
①育児休業・産後パパ育休に関する制度
②育児休業・産後パパ育休の申し出先
③育児休業給付に関すること
④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取扱い

・個別周知、意向確認の方法
面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれか
取得を控えさせるような形での周知や意向確認は認められませんので注意が必要です。

※産後パパ育休については、令和4年10月から対象となります。

労使協定の見直しも必要!

現行制度では、有期雇用労働者が育児休業を取得する場合、引き続き雇用された期間が1年以上という要件が必要でしたが、令和4年4月からは、雇用期間による制限がなくなり、無期雇用労働者と同様に取り扱うことになります。

(現行)
(1)引き続き雇用された期間が1年以上
(2)1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

(法改正後)
(1)の要件が撤廃され、(2)のみになります。

なお、労使協定を締結することで、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者を除外することも可能ですが、そのためには、労使協定の内容の変更を検討する必要があります。

産後パパ育休ってなに?

令和4年10月から配偶者の産後休業中に男性が産後パパ育休を取得した際に、出生時育児休業が創設されます。

改正のポイントは下図の通りです。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

また、過去のブログでも、産後パパ育休についてご紹介しておりますので、こちらもご参考にしてください。

<参考>男性の育児休業取得が義務化?~注意しておきたい育児休業に関するトラブル対応~
 >>> 詳しくはこちら

<参考>育児休業を取得予定の方・育児休業給付金の申請手続きを行う事業主の方へ(厚生労働省)
 >>> 詳しくはこちら

<参考>育児・介護休業 改正ポイントのご案内(厚生労働省)
 >>> 詳しくはこちら

産後パパ育休の特徴とは??

産後パパ育休の特徴として、労使協定の締結があり、労働者が合意した範囲で休業中にも就業することが可能となっています。現行の育児休業制度では、一時的、臨時的な場合であって、労働者が合意した場合にのみ就業させることが可能となっています。

ただ、就業可能日時には上限がありますので、注意が必要です。
・休業期間中の所定労働日、所定労働時間の半分まで
・休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満

具体的例をご紹介します。
所定労働時間が1日8時間、1週間の所定労働日が5日、2週間休業
休業期間中の所定労働日が10日(所定労働時間80時間)

この場合、就業日数の上限は5日(=休業期間中の所定労働日10日の半分)、就業上限時間は40時間(=休業期間中の所定労働時間80時間の半分)となります。また、休業開始・終了予定日の就業は8時間未満となります。休業開始・終了予定日以外の日については、就業時間の制限はありませんので、8時間勤務することも問題ありません。


出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

男性に育児休業を取らせる社風がない。どうしたら?

男性労働者の育児休業の取得が進まない理由としては、以下のような要因が考えられます。それぞれ対応策の一例をご紹介します。

①代替要員が確保できない
(対応策)
代替要員の確保については、日ごろから仕事の進め方や業務分担を工夫し、多能工化を進めておくことです。こういった対応をすることで、育児休業の取得促進に繋がるだけでなく、労働生産性の向上や長時間労働の抑制に繋がる可能性もあります。

②職場にそのような風土がない(上司の理解がない、キャリア形成への不安など)
(対応策)
トップからのメッセージはもちろんですが、育児休業を取得する労働者と育児休業を取得しない労働者で不平等性を感じ、少なからず組織内が険悪になってしまうというのはよくあることです。
そのため、育児休業に限定せず、連続休暇を取得できるような環境を整えることが肝心です。会社全体で、長期休暇を取得できるような環境を整え、現場レベルで、誰が長期休暇を取得した場合でも業務が滞らないように、休暇取得を前提に、メンバー全員で進め方を考えるというのも一つの方法です。


助成金が使える場面も?

男性労働者に育児休業を取得させた場合、両立支援等助成金を受け取れるケースもありますので、支給要件なども確認しましょう。※中小企業の場合を記載しています。

(1)支給額
1人目:57万円
2人目以降:14.25万円~33.25万円

(2)支給要件
①男性の労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りを行っていること
②男性の労働者が連続5日以上の育児休業を取得したこと
③男性の労働者の休業等開始前に育児休業制度などを労働協約または就業規則に定めていること
④次世代支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること
⑤対象の男性労働者を育児休業の取得日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として継続して雇用していること

(3)対象期間:令和3年4月1日~令和4年3月31日
詳しい内容は、厚生労働省のパンフレットをご確認ください。


☞ <参考>両立支援等助成金 支給申請の手引き 2021年度版(厚生労働省)
 >>> 詳しくはこちら



KING OF TIME 情報


今回は補助項目設定についてご紹介します。

◆補助項目設定とは
◆補助項目の活用法(選択肢)

補助項目設定とは

任意の名称で日々の作業時間や工数を記録・集計することができる機能です。 また、補助項目は従業員から申請させ、管理者で承認することができます。

補助項目の活用法(選択肢)

労働時間とは別に、作業内容によってあらかじめ「金額」や「値」が決まっている場合、管理者が作成した選択肢から申請させることが可能です。選択肢を利用する際は、それぞれ3つの設定が必要です。

例)国内出張は手当2千円、国外出張は手当5千円を計上したい

1.補助項目設定
任意で記録・集計したい補助項目を作成します。
1年単位の変形労働設定


2.利用グループ設定
グループを作成し、使用可能な補助項目を選択します。


3.利用条件設定
利用条件を適用したい利用グループを選択します。


上記設定が完了後、補助項目設定の[オプション]をクリックし、下記の3つを設定します。

1.オプション設定
出張手当の選択肢を登録します。


2.オプショングループ設定
1つの補助項目に複数のオプション値から選択させるため1つのグループにまとめます。


3.オプション利用条件設定
オプション利用条件を適用したい利用グループを選択します。


以上の利用条件に一致した従業員にのみ出張手当を申請させることができます。
申請した内容をタイムカードに表示する場合は、カスタムデータ項目設定をご登録ください。設定方法の詳細、申請方法はオンラインヘルプにてご確認ください。

☞ 交通費や手当など、任意の数値項目の作成方法(補助項目:数値 / 選択肢)

 >>> 詳しくはこちら

☞ 補助項目を申請・承認することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら


本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

 
 
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